第二十話※独自設定有り※ ページ21
『知ってるよ。でも其れが生き甲斐なんだから、仕方無いじゃん！ さ、殺そうよ！』
私に手を差し出す夜叉。
「私は、光の花に成ると決めた。もう、人は殺さぬ」
『紅葉が、光の花、ねえ……。でもさあ、紅葉の“異能”……今は“個性”だっけ？ が無差別に人を殺したら……。もう紅葉は光に居れないよね？』
「ッやめろ！」
飛び立とうとする夜叉を押さえつける。
『紅葉は確かに強いけど……』
「ッ！」
『ワタシ程じゃないよね！』
吹っ飛ばされ、壁に激突する。
「かは……っ！」
壁から落ち、脇腹を抑え乍ら咳き込む。
『ざっくり内蔵迄届かせる心算だったのにー！』
内蔵迄は届いていない。
しかし、それでも傷は深い……っ。
『ま、良っか！ 刀持ってない紅葉と殺り合ってもつまんないし……。やっぱ人殺そ、ッ?!』
濃密な殺気が辺りを漂う。
『殺る気？』
「其の気で行かなければ貴様は止められぬ。夜叉白雪が居ない今、抑止力となる者は、私しか居らぬ故」
本気で奔り、本気で殴る。
『ぐっ……！ さっすが、紅葉！ そうこなくっちゃ！』
周囲の事等気に留める余裕も無く、只管闘う。
何時の間にか、日が沈んでいる。
其処等に私の血が飛び散り、彼方此方が凹んでいたり、抉れている。
私は消耗頻り、夜叉は未だ未だ余裕そうじゃ。
『ねえ、紅葉さあ……。弱く成ったね。前はもっと強かったのになあ！ やっぱり紅葉は光に向いてないよ！』
やめろ……。
『紅葉は闇に居るべき人間！』
やめてくれ……。
『そうでしょ？ 爆豪勝己！』
「な……?!」
振り向く。
『隙有り！』
体が仰け反る。
「ッおい！」
『きゃははっ！』
刀を抜かれ、放り投げられる。
勝己が私を受け止める。
「おい！ しっかりしろ！」
「なぜ、ここに……」
「デクから来ねぇって連絡来たんだよ！ それより、んでこんなことになってる！ アイツ金色夜叉だろ?!」
…………。
「彼奴は正しく金色夜叉じゃ。……本来の姿のな」
「本来の姿だァ？」
「金色夜叉の本性は、無差別に生き物を殺す鬼神じゃ。故に、私は夜叉の力の大部分を封印し、無理矢理従わせていた。……だが、私の精神が乱れた事で封印が破られた」
「……どうすりゃ、アイツ止められんだ」
此れは私の問題。勝己を巻き込める筈が無い。
「勝己は下がって居れ。私の問題に、巻き込むわけには、」
「うっせぇ！ 良いから教えろ！」
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霧宮椿(プロフ) - 続き待機しています！姐さんカッコいいです！応援しています！ (2022年11月26日 8時) (
レス) @page38 id: 95d482cbd7 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 涙腺崩壊。特に夜叉とのシーンで泣いた (2019年7月31日 13時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 星姫さん» ありがとうございます！ 長らく更新できませんでしたが、他の作品含め、少しずつ更新して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - マリーさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。少しずつ更新を再開して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
星姫(プロフ) - 作品とても面白いです。更新楽しみにしています！ (2019年1月6日 2時) (レス) id: d716fdff91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳凰寺未来 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月28日 11時
