第十話 ページ11
「爆豪」
「違ェよ！ 下の名前だ！」
「勝己」
「……おう」
少し顔が赤いな。
私は鈍感では無い故、爆豪……、勝己の好意に気付いていない訳ではない。
「ありがとうの。聞いてくれて」
「ふんっ。別に、俺が聞きたかっただけだ」
「それでもじゃ」
時計を見る。
既に、十一時を回っていた。
「そろそろ寝るとしよう。しかし、蒲団は一組しか無い。……勝己、蒲団で寝ろ」
「は？ 普通女が布団だろ」
「勝己にも思いやりの心が有ったのか」
「あぁ?!」
ふふっ。
「冗談じゃ。……ふむ。ならば、共に寝るか」
「はぁッ?! それこそありえねぇだろ！」
「こんな時間に叫ぶでない」
洗面所で寝支度をして部屋に戻る。
そして、着物を脱いでいく。
「んで脱いでんだよッ！」
「脱がなければ着替えられぬだろうに」
「人前で脱ぐなっつってんだ！」
後ろを向く勝己。
寝間着に着替え、電気を消し、蒲団に勝己を引き込む。
「お、おいっ！」
「さっさと寝るぞ」
勝己の腕をしっかりと抱え込み、眠気に身を任せる。
暫く身を捩っていた勝己だが、切りがないと思ったのか大人しく成る。
少しすると、部屋には寝息だけが聞こえる様に成った。
早朝。
自然と目が覚める。
勝己は……、未だ寝て居るな。
勝己を起こさないように蒲団から出、風呂に入り身を清める。
それにしても……。
ふむ。
勝己から、何故か懐かしい気配を感じる……。
人の気配では無い様じゃ。
となると、異能力か？ ……ふむ。
そう言えば、昨日は金色夜叉が珍しく警戒しなかった。
谷斎殿の時は警戒して居ったのに。
思考を巡らせ乍ら着替え終え、勉強をする。
勝己の意識の奥底から感じる此の気配。
知って居る筈。だのに、思い出せない。
もどかしいのう……。
部屋に戻り、少しすると勝己も起きた。
「んだぁ……？」
頭を押さえ乍ら起きてくる勝己。
「む、どうした？」
「夢。知んねぇ女達が出てきた。赤い着物のガキとお前の金色夜叉？ と似てる奴」
な……っ。
「な、何か言って居ったかえ？」
「あ？ あー……。尾崎幹部をよろしく……？ っつってたぞ。知ってんのか？」
「……恐らく鏡花じゃ。鏡花と鏡花の異能じゃよ。何らかの方法で勝己の夢に入ったのじゃろう」
……真逆。
「勝己、“個性”の他に力を感じぬか？」
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霧宮椿(プロフ) - 続き待機しています！姐さんカッコいいです！応援しています！ (2022年11月26日 8時) (
レス) @page38 id: 95d482cbd7 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 涙腺崩壊。特に夜叉とのシーンで泣いた (2019年7月31日 13時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 星姫さん» ありがとうございます！ 長らく更新できませんでしたが、他の作品含め、少しずつ更新して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - マリーさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。少しずつ更新を再開して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
星姫(プロフ) - 作品とても面白いです。更新楽しみにしています！ (2019年1月6日 2時) (レス) id: d716fdff91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳凰寺未来 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月28日 11時
