【募集企画】ファルフェス女学院 - 用語集 (ページ15)

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　　　　 - 紺碧の女王ページ15

紺碧の女王

「悪を正すには完璧でなければ。完璧を汚す慈悲なんて善ではないわ」

本名の記述は控えておく。
かつて深海の国に君臨した女王。若くして人魚達をまとめ上げ、さらに自分の統治する国をここまで大きく発展させたのは歴史上でも彼女しかいないと言われている。
深い紺色の少し赤い眼をしていた。その髪は美しく、名前の由来となった。
彼女は清きを良しとする教えを持っており、とても道理のかなったものではあったが、彼女の定めた規則は非常に厳しく、結局は革命が起き処刑されてしまった。

彼女の父は、悪どい商売で一財産を築き上げたが、実の娘である彼女にその悪行を密告され処刑された。
優秀な彼女は様々な王のもとで働き、彼らの姿を見てきた。
王という立場についていたものの多くは、何かしら悪事を働いており、それを密告されたことで処刑された。しかもそれを何度も繰り返す。そんな王達を彼女は見てきた。
ある日、彼女は気付いた。悪を正すことと、善を成すことは根本的に異なるのだ。悪を正しても得をするのは自分ではない。
そう悟った彼女はそれまでの自身の考えを改めたのだった。
彼女は悪を正すことで民を守ることにした。それは彼女にとって都合の良い理想論であった。
悪に染まった者を、彼女は次々と処刑した。慈悲も容赦もなく、ただ罪状だけが積み上がっていく。一度そのようなことを始めてしまった彼女には“悪を正す”という選択肢以外は残されていなかった。
遂に彼女は自身の思い描く「完璧」から外れるものすらを処刑し始めた。彼女の思い描くそれは須く完璧なものではあったが、悪でもないのに正される罪など存在してはいなかった。
当然、彼女の行為は当然批判された。全ての民が彼女を憎んだ。そして遂に革命は起き、民の手で悪は正された。
しかし今、彼女は現在の人魚達の中で「女王」と呼ばれている。彼女のしたことは確かに悪であったのかも事実だが、彼女がいなければ国が滅んでいたかも知れないのもまた事実だろう。