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教会を出て徒歩で向かう先は
中心街でも祐希くんの家の方でもない。



「どこに向かってるの?」

「内緒。着いてきて」


何度も行き先を尋ねるけど
祐希くんは答えてくれなくて
道は次第に緩やかな上り坂になっていた。










坂を上ってたどり着いた先は
小高い丘になっていて
その先に古びたベンチが一つだけ置かれていた。



「内緒っていうか、
 ここの場所の名前がわかんない」


そう言いながら祐希くんは
そのベンチに腰を下ろした。


隣に座るとそこからは町の景色が一望できた。


ちょうど夕日が沈見かけて
空にはきれいな夕焼けが広がっている。


とてもきれいだけど
何故か少し寂しくなる様な景色だった。



「ここからの景色ってさ
 ちょっとだけモデナに似てるんだよね」


「モデナ?」


名前だけは聞いたことがある。
確かここと同じ北イタリアの町だったはず。



「俺、大学生の時
 始めてイタリアに来たんだ。
 そのときにいたのがモデナ」


祐希くんは遠くを見つめながら
懐かしむような目をしていた。

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設定タグ:石川祐希 , バレー , 全日本   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Haruka. | 作成日時:2019年11月10日 20時

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