失恋シンデレラボーイ (ページ4)

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案の定、禿げたおっさんの講義なんて
1ミリも俺の人生に関係ないし。

校舎内歩くだけで盗撮されて晒されるし。

大学なんて、なんで通おうとしたんやろう。

『なーがせー！』

裕人に出欠を委ねて仕事行こうとしたら
どこからか俺を呼ぶチャラい声。

｢お、テツヤくん。｣

『久しぶりじゃーん、見てたよテレビ。』

｢いや～、恥ずいっすわ。｣

テツヤくんは、1つ学年が上の先輩。

性格が合うせいか先輩って感じがしなくて楽。

『なぁなぁ、今度呑み会開くんだけど来る？』

｢あー、俺まだ呑めないんすよ。
呑み会はNGなんで。｣

『あー、そっか。じゃあカラオケにするか！』

｢いや、いいっすよ申し訳ないんで！｣

『いや、永瀬来ないと盛り上がらないっしょ。
15日の夜空けといてね！じゃ、俺講義だから！
またな！』

半ば強引なところがあるから
俺の中での要注意人物。

偶然その日は空いていて
断る理由がなかった。

｢ …はーい。｣

……カラオケなんて、何年ぶりやっつーの。

ほんとはそんなめんどくさいところ行きたくないし。

どうせ知り合いはほとんどおらんし。

でも、こないだも仕事で断ってまったし
そろそろ誘われんくなるなぁ。

渋々俺は行く事にした。

歳を重ねると、人間関係が複雑になってきて
どうにも自分の意志を貫き通せないことがある。

だって恋を知らない俺は
友達なくしたら終わりやから。

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