____ ページ4
.
その会員制のBARがオープンするのは夜の10時。
まだまだ時間があるからと一旦家に帰って軽くご飯を食べる。
テーブルの上に置いてある、無残に踏まれた未使用のタバコがある。
あぁ、自分で踏んだんだっけ。って笑いそうになる。
惨め、滑稽、色んな似てる言葉が出てきて悲しくなって笑いたくなった。
こんなものを残していくなら、もっとちゃんと、形にならないものを残して欲しい。
でも、それに手を伸ばしてしまう自分も充分に痛くて馬鹿だと思う。
このタバコを吸う度に、愛を、もっと欲しい。と思ってしまう私は愚か者なのだろう。
いつから、こんなイバラの道を歩き始めていたんだろう。
いつから、棘が深く刺さって取れなくなってしまったんだろうか。
『ぜんぶ、とさかさんのせいだ』
ふぅ、と優しく吐き出した灰色の煙がグルグルと自分の周りを動き回る。
そういえば、ご飯に行く予定だった萩花と伶菜には謝って今日は遠慮させてもらった。
だって、涼太くんと話すのが今はいいと思ったし、なんとなく、涼太くんの目が暗かったから心配になったのと……同じ、匂いがしたから。
なんで涼太くんが私のことを庇ったのか。
悶々と考えても訳が分からなくって、そっと目を閉じる。
“またあした”
そう、口パクを残した彼が脳裏に浮かんで、ムカついた。
何がまたあしたよ。·····もういっそ、明日なんか来なきゃいいのに。
私たちに明日は、いつ来るんですか？
.
____ Pain,pain→←____ また、アシタ（前回の続き）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 497人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みく - 続きが気になりすぎます(T_T)更新お待ちしてます( ´-` ) (2019年10月18日 1時) (
レス) id: 60f0ec5147 (このIDを非表示/違反報告)
みぃー姉(プロフ) - 初コメします。ずっと気になってました。途中でタイトルを忘れてしまって漸く見つけることが出来て、一気に読んじゃいました。これからの展開も含め主人公の感情がどう変化していくのか更新を楽しみにしています。 (2019年9月27日 12時) (レス) id: 43a3cb6de9 (このIDを非表示/違反報告)
misa33misa33(プロフ) - 更新楽しみにしていました！ (2019年9月21日 23時) (レス) id: be7ae1c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - こんばんは！いつも楽しみに待ってます！更新頑張って下さい！ (2019年6月22日 1時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ほく(プロフ) - こんにちわ (^^) シンデレラにはなれない本当に好きです！更新頑張ってください (>_<) (2019年5月14日 7時) (レス) id: 2b57c5bef3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラベン
| 作成日時：2019年5月1日 17時
