シンデレラにはなれない ５【登坂広臣】

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川村｢って、NANAに臣さんと間違えられるとかなんか嬉しいんだけど｣




照れたように笑うから表情がコロコロ変わってて面白い。




『川村くん…って、』

川村｢壱馬でいい。同い年だし｣

『え？！そうなの？！』

川村｢うん。学年は同じ｣

『へぇ…』

川村｢ちなみに北人と、翔吾もね｣

『…あ！らんぺーじ？だっけ…』

川村｢そうそう！｣




やべぇ嬉しいってニコニコ笑う姿は、全然登坂さんに似てない。




登坂｢あ、Aいた｣




そんな声が聞こえてきて振り返れば、そこにいたのは登坂さんで。




『本物だ』

川村｢何それ、俺が偽物みたいじゃん｣

『だって香水の香りも同じだったよ？』

川村｢それは俺が臣さんをリスペクトしてるからで、｣




でも違った。

あぁ、今日の登坂さんは琴音の香りがする。




川村｢あれ？臣さん、香水変えました？｣

登坂｢まー、気分？｣




嘘つき。

嘘まみれのあなたを睨めば、ヘラリと笑って小突かれる。




登坂｢何見てんだよ｣

『うるさいです』

登坂｢つか何しにここ来たの｣

『ボイトレ…』

登坂｢俺もするわ。言うて1時間後インタビューだろ？｣

『そうですね』

登坂｢朝までドラマの撮影ありそうだしな｣




時間までまだあるよね。って確認する。

あー、そう言えば夜からもドラマの撮影だっけ。




川村｢じゃあ俺も一緒に時間までトレーニングしていいですか？｣

登坂｢おお！いいよ｣




なんか、兄弟みたいだね。

そう思ったのが壱馬の第一印象だった。




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