シンデレラにはなれない３【登坂広臣】 (ページ41)

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・A side

誕生日を迎えたからmobileをやる事が出来る。

別にmobileは20歳からってわけじゃないんだけど、区切りみたいなのを付けたくて私がそうしただけ。

mobileを始めるならmobileの題名？(例えば白濱くんなら白濱白書)を決めなきゃいけないらしい。

んー、となやんだ結果

“Where is my future?”にすることにした。

まだこれから先どこに行くかわからないし何があるかわからない未来。

どこに行くかは分からないけれど、ただ真っ直ぐに進もうっていう意味が込められてる。

1番最初の投稿にはこの前、事務所のみんなに入所を祝ってもらった時に撮ったオレンジジュース片手に笑ってる私の写真を載せる。

『この写真でいいですか？』

柿沢｢お、いいじゃんそれ。Aめっちゃ笑ってんじゃん笑｣

『フォトバイ晴美ちゃんです！』

柿沢｢じゃあそれにLDHのマークつけるから1回俺に送って｣

『はーい』

LINEでその写真を送って送り返されたのにはちゃんとLDHのマークがついている。

本文は…

“今日からスタート

ただ真っ直ぐにまだどこにあるか分からない未来に向かってひたすらに走り続けます”

って書いて逸さんに見せる。

柿沢｢ん。｣

たったそれだけだけど嬉しそうに笑った逸さん。

逸さんといい、涼太くんといいさっきのこと────登坂さんとのことを聞いてこない。

なんで、聞いてこないんだろう。いっそ問い詰めて叱って欲しい。

『逸さん』

柿沢｢んー？｣

『あの、』

柿沢｢……｣

『あ、の、…』

柿沢｢分かってるから。何となくだけど｣

え？って顔あげればふはって笑った逸さん。

柿沢｢俺ね。漆のこと奪ったんだよね｣

『はい？』

柿沢｢俺が漆を好きになった時、漆には彼氏がいたんだよ。でも、奪ったんだ｣

『……奪っ、た、』

柿沢｢だからお前も、あんな奴なんかに負けんなよ。奪ってやれよ。｣

な？って言ってくれた逸さんと優しい漆ちゃんにそんな過去があったのか。とびっくりしていれば、

柿沢｢俺は結構お似合いだと思うけどな。Aと登坂｣

『……逸さんよりも登坂さんの方が年上ですよね？』

柿沢｢いいんだよ登坂は登坂で｣

『……』

きっとこれは逸さんだから許されるんだ。うん。

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