シンデレラにはなれない３【登坂広臣】 (ページ30)

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23日の午後。

伶菜と萩花と夏恋の4人で収録の準備をしていた時だった。

萩花と夏恋はいつも通りなのに伶菜はなんか今日元気がなくて心配。

そんな時、4人で控え室に移って水を飲んでいた私に伶菜が体ごと向いて言った。

鷲尾「Aの付き合ってる人って登坂さんだったの？」

『ぶふぉっ、！！！！！！……っ、ごほっ、ごほっ、』

萩花「え、そうなの？へーお似合いじゃん」

夏恋「え？！そうなの？！」

『ごほっ、ゴホッゴホッ、！！！』

危ない、色々出るところだった。

鷲尾「ごめん、私、昨日見ちゃったの」

『え、』

鷲尾「Aと登坂さんが手繋いでるの。あ、でも見たのは私だけで他の人はいなかったから！……でも、」

なんで言ってくれなかったの、と落ち込んだ表情をするから慌てる。

そんなあわあわしてる内に姉妹は話を進めていて、

萩花「あー、でも登坂さんのインスタにA載ってたもんね」

夏恋「インスタライブも一緒にやってたし」

萩花「でもお似合いやんな」

夏恋「美男美女って見てて幸せやもんな」

うんうんって頷いた3人に戸惑う。

鷲尾「で───────いつから？」

いつからも何も、私達は何も始まってもいない。

始めてすらいない。こんなに悲しいことあるだろうか。

『違うの、』

そう言った私にキョトンとした3人は目をぱちぱちとさせて首をかしげた。

『3人は、大切な人だし、大好きな人で、嫌われたくないから言う、けども…』

鷲尾「……ん？」

付き合ってないの。そう言えば訳が分からないというように不思議そうな顔をする。

『でも、私は登坂さんが好き。』

だけどね、って言ってじわりと涙が浮かんでくる。

『だけど、登坂さんの彼女は、琴音』

鷲尾「……え、？」

萩花「は、」

夏恋「……どういう、こと？」

『それで、私は、親友の彼氏と─────』

寝たの。最低でしょって勢い任せに言って下を向く。

ああ、顔を上げられない。

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