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やばい、腰が死ぬ…
5月20日の朝。
HIROさんに呼ばれて琴音と2人事務所に来ていた。
久しぶりの琴音だけど、目を合わせられなくて…
柚木「Aなんかあった?」
『え?いや、別に?』
柚木「仕事忙しいの?大丈夫?」
『全然大丈夫!うん!』
変なAってくすくす笑われるけど、だってまさか、“あなたの彼氏と昨日寝ました”なんて言えるわけないじゃない。
HIRO「あれ、2人とも早いね」
『HIROさん、おはようございます』
柚木「おはようございます!!」
HIRO「うん、じゃあ早速なんだけどね?2人って中学の時からの親友でしょ?」
……親友、って言える立場じゃないけれども。
『はい、中学の時から一緒です』
HIRO「うん、だから2人、コンビ組まない?」
柚木「……NANAとKOTONEで?」
HIRO「そうそう。NANAKOTOで」
『NANAKOTO…』
HIRO「って言うか、実はもう決まってるんだけどね?その撮影を今日から始めるんだ」
と言ってHIROさんに連れてこられたのはスタジオで。
KOTONEは歓声を上げながらセットの中へと入っていく。
すごい、天井から太陽のモチーフが吊るされていたり、月が転がってたり。
でも全体的に白と黒で統一されていたり光の強さがハッキリしていて角度によって影の長さが変わるような……
それをポケーっとしながら見ていれば、私の隣に並んだHIROさん。
HIRO「NANAKOTOのコンセプトは“月と太陽”とか“黒と白”、あとは…“陰と陽”かな」
『……正反対、って事ですか?』
HIRO「そう。だけど月と太陽でも似てるところがあって、どちらも輝いてるでしょ?
ほら、2人は見た目と性格が思いっきり正反対だけど考え方とかの根本は似てるじゃん。」
ね?って言われて確かにそうだ。
琴音はかわいい系の服を着て、思いついたら即行動。
だけど私は大人しめの服を着て、よく考えて行動する。
琴音と私が同じなのって趣味とかブランドとかだから、HIROさんはそういう所をちゃんと見ててくれてるんだ。
柚木「わ!見て見て、これ絶対Aに合うよ!」
そりゃそうだよね、あんな笑顔で名前呼ばれたら登坂さんも“別れよう”なんて言えるわけないよね。
『えー?どれどれ?』
柚木「ほら、これの下にあのスキニー合わせればさ、」
『ほんとだ!』
うん、これでいいんだ。
確かに親友の彼氏と……って考えたらやっぱり最低だけど、ほんの少し、あと少しだけ。
登坂さんの事を、好きでいたい。
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ゆうやん - 好きすぎて何回も読んでます!続きが気になりすぎて…。応援してます!頑張って下さい!! (2018年9月2日 2時) (レス) id: 923257e9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ichika0312(プロフ) - 主人公さんはいきなり臣さんの事が好きになったのですか? (2018年8月1日 12時) (レス) id: 09afc1ea42 (このIDを非表示/違反報告)
佐野琴吏(プロフ) - このお話大好きです!!応援してます!! (2018年7月28日 20時) (レス) id: ba364fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2018年7月28日 20時