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やっと自分の出演するシーンが回ってきたのは3時になった頃だった。
ICEと広斗の喧嘩が終わり、それを眺めていたナイフがコンテナの上から飛び降りる。
で、そのまま鬼邪高の方へ行こうとするけど女が混ざってると勘違いした広斗に引き止められるシーン。
監督｢それじゃあ、用意、スタート！｣
かなりの高さがあるそこから勢いよく飛び降りれば痺れる足、やばい、辛いかも。
辛くてもやらなきゃって何事となかったかのように歩けば
｢おい、お前そっちは危ねぇぞ｣
『……ご忠告どーも』
｢だから、危ねぇって言ってんだよ｣
ってお腹辺りに腕を回されて後ろに倒れそうになり、そのままグルリと抱き締められるっていう。
『ちょっ、！』
｢……お前、見ない顔だな｣
『耳元で喋んなきもい』
｢は？お前誰だよ｣
フードを取られそうになってしゃがんで逃げる。
『私は簡単には捕まらないんだから』
そう言ってそのまま颯爽と去って行く。
────────── カット！
その声を聞いた途端、足の力が抜けそうになった。
登坂さんの腕、…震えてた。
監督｢どうした？2人とも！｣
え？って登坂さんの近くにいる監督さんが私達のところに来るから駆け足で登坂さん達の近くへ。
監督｢臣くんは腕、NANAちゃんは足、めっちゃ震えてたよ？｣
寒い？なんて聞かれて慌てて首を降る。嘘、私、足震えてた？だから力抜けそうになったの？
でもなんで登坂さんの腕が、震えてたの？
─────────── 足、ジーンって痺れちゃって。って答えればよかったのに頭の中にそれがなかったのはなんでだろう。
『さ、寒いん、ですか、？』
登坂｢……多分、Aちゃんと同じ理由｣
『……え？』
聞き返した時もう1回撮影します、という監督さんの声が聞こえてきて慌ててコンテナの上へと登る。
何、今の…
心臓がバクバクいって、それにさっき登坂さんに抱き締められた場所が熱い。
チラリ、と下にいる登坂さんを見る。
────────── その瞬間
バチリ、そんな音を立てて目が合った気がした。
パッとあからさまに目を逸らしたのは私。
目が合うと必ず私の方から逸らしちゃう。
あなたと目が合うと、好きって感情が溢れて苦しくなって、次の瞬間には琴音の顔が浮かんでる。
なぜだか、裏切ってる気がして。
監督｢はい、撮影再開しまーす｣
そんな声を聞いてコンテナの上にしゃがみこむ。
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ゆうやん - 好きすぎて何回も読んでます！続きが気になりすぎて…。応援してます！頑張って下さい！！ (2018年9月2日 2時) (
レス) id: 923257e9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ichika0312(プロフ) - 主人公さんはいきなり臣さんの事が好きになったのですか？ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 09afc1ea42 (このIDを非表示/違反報告)
佐野琴吏(プロフ) - このお話大好きです！！応援してます！！ (2018年7月28日 20時) (レス) id: ba364fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラベン
| 作成日時：2018年7月28日 20時
