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監督「TAKAHIROくーん!」
やだ、やめて。今登坂さんと2人っきりにしないで。いやだ、辞めてよ。
TAKAHIRO「あ、呼ばれた。じゃあ行ってくるね、また後で」
『え、あ、』
行ってしまったその後ろ姿を眺めていたら、泣きそうになってる原因の人が声をかけてきた。
登坂「ねぇ、なんで」
ねぇ、なんで
登坂「連絡してくれなかったの?」
……どうして連絡しなきゃなの?琴音のため?どうして、…そんな優しい顔するの?
『す、みませんでした、』
登坂「いや謝ってほしいんじゃなくて」
登坂さんと会うのは3回目。
1回目は琴音と、2回目はホワイトデーの日。
今日が3回目。3回目のはずなのに、どうしてこんなに好きが積もってるの。
どうして、こんなにも好きだって、触れられたい、触れたい、抱きしめられたいなんて思ってるの。
登坂「んー、じゃあ今交換しよっか」
逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げ出さなきゃ。この場所から、どうにかして。
─────── この涙が、落ちる前に。
登坂「Aちゃん今携帯持ってる?」
早く、逃げなきゃ ───────
大樹「Aちゃん!!」
『たい、き、く…』
大樹「久しぶり!…でもないか?いや、久しぶりだよね?」
『え、大樹くんなんで?』
大樹「Aちゃんが今日クランクインって聞いて駆けつけちゃったや」
なにそれ、可愛いなあって年上の人に思ってしまった。ごめんなさい。
大樹くんが来たことによって涙は落ちずに済んでホッとしてる。
登坂「……ま、いいや。後でね」
ポンッて私の頭に手を置いてその場を去ってしまった登坂さん。
登坂さんに触れられた部分が熱くてその熱が体中を巡る。
ああ、その手に、もっと触れられたい。
大樹「……Aちゃん?」
『え、ん?』
大樹「ううん。もうすぐ始まるっぽいから向こう行こっか」
私の腕を掴んで歩き始めた大樹くんに少しホッとした。
私、大樹くんに連れ出してもらわなきゃあの場にずっと縫い付けられたように立ってたよ。
ありがとう、大樹くん。
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ゆうやん - 好きすぎて何回も読んでます!続きが気になりすぎて…。応援してます!頑張って下さい!! (2018年9月2日 2時) (レス) id: 923257e9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ichika0312(プロフ) - 主人公さんはいきなり臣さんの事が好きになったのですか? (2018年8月1日 12時) (レス) id: 09afc1ea42 (このIDを非表示/違反報告)
佐野琴吏(プロフ) - このお話大好きです!!応援してます!! (2018年7月28日 20時) (レス) id: ba364fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2018年7月28日 20時