シンデレラにはなれない 【登坂広臣】

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クリスマスになる少し前の話。大事な話があるからA来て！と琴音に言われてLDHの事務所が近くにあるカフェに来ていた。

私は砂糖たくさんのアイスティーに琴音はりんごジュース。




柚木｢私、バレンタインに告白しようと思うの！！！｣

『……は？』

柚木｢まだ12月でしょ？ほら、これからクリスマスがあるじゃない？｣

『あー、そう言えばそんな時期だね』

柚木｢クリスマスは無理だからちょうどいいのはバレンタインでしょ？だから告白しようかなって！｣

『いやでもさ、相手彼女とかいないの？』

柚木｢私と出会ってから彼女いないって！｣

『へー、』




って言って思い出した。

そうだ。岩田さんに琴音の行動抑えてほしいって言われてたんだった。




『まって琴音、相手も芸能人でしょ？スキャンダルとかやっぱり大変なんじゃ、』

柚木｢……なんか前もそういうこと言ってたけどさ、Aは芸能人の何を知ってるの？｣




地雷かも。って察した。


琴音は怒ると腕を組んで貧乏ゆすりを始める。


つまり、それを今してるってこと。




『あ、いや、……何も知らない、ごめん』

柚木｢なんか最近モデルとかやって有名になって同じ立場にでも立ったつもり？｣

『え…？』

柚木｢なんか、今のAすごいムカつく｣




バンって机を叩いて私を人睨みし出て行ってしまった琴音。

あー、やっちゃった。って激しく後悔。


でも言わなきゃいけなかったんだよね。

私が言わなかったらきっと誰にも言われないし、なにかがあったら琴音が傷付くだけだから。


だからこれで良かったんだって思うようにしよう。




アイスティーをぐびぐび飲み干して私はそのお店を後にした。









次に来る時、私の全てが変わるだなんて思いもせずに。









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