シンデレラにはなれない 【登坂広臣】

____ ページ27

.









もぐもぐと私の大好きなカルボナーラを頬張りながらここ2ヶ月くらいで仲良くなったお店の店長と話す。




｢じゃあ良かったね｣

『良かったのかなぁ…』

｢え、NANAちゃんのおかげでお客さんが増えたんでしょ？｣

『まぁ…そうかもしれないけど、』

｢引っかかるんだ？｣




いかにもカフェのマスターって感じのおじいちゃんマスターと話すこの時間が大好き。

大好きなカルボナーラと大好きなおじいちゃんマスターと話す。なんて幸せなんだ。




｢じゃあNANAちゃんさ！次にHIROさんからお声がかかったらOKしてみれば？

それで条件出してみなよ。もしそれがOKされたら1回写真とか撮ってもらって、親に聞いてみれば？｣

『あー！！！それいい！！！』




たまには他の人の意見を聞くのもありなんだね。


相談してよかった。




『ありがとうございます！！』

｢じゃあはいこれ｣




どうぞって差し出されたグラス。




｢NANAちゃん頑張ってるからさ。これからもいっぱい頑張れってことで、サービスだよ｣

『わぁ！ありがとうございます！』

｢辛くなったらいつでもおいで。おじいちゃんがなんでも聞いてあげるから。｣




なんて言ってくれるからじんわりと泣きそうになって思いっきり頷いた。


どうしてそんなに優しいんだ。って感動したのを今でも覚えてる。








でもまさかこれも仕掛けだったなんて、HIROさんは本当に頭が良くてすごい人だ。




.

____→←____

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す