Happy ページ38
「なぁ…潤？」
低い声にビクリとするも、
「はい。」
と返事をしてパソコンから視線を上げた。
パチリと視線がぶつかりはしたものの、俺の目をジッと見るだけで話そうとはせずに…。
てか…その威圧的なオーラを纏ったまま見つめられるって…
まるで蛇に睨まれた蛙の気分。
「お前…なんか俺に隠してんだろ？」
「いえ、全く。」
長年、この人の秘書やってるんだ。
なにがあろうと平然を装う事なんて慣れたもんだ。
「てめぇ、いい加減にしねぇとクビ飛ばすぞ。」
「いいですよ？ただ、私くらいしか社長の秘書が務まらない事は社長の方がよくお分かりではないですか？」
「チッ。」
舌打ちしてデスクの上のタバコに手を伸ばした。
口から出まかせだったけど、舌打ちだけで引き下がったって事は少なからず社長は俺に対してそう思ってくれてるっていう事で。
口は悪いし、態度も俺様帝王様だし…
だけど尊敬できる経営手腕に、最早嫉妬する事もできないくらいの卓越した頭脳の持ち主の社長にそう思われて嬉しくないはずがない。
「大丈夫です。きっと幸せが待ってますよ？」
イラついてる事を隠そうともしないで、それを全面に出して不機嫌にタバコを吸う社長に向かって、ボソリと呟いた。
「あ？」
地獄耳…。
「なんでもないですよ。仕事上での独り言です。」
「…てめぇやっぱなんか…。」
怪訝そうに眉を顰めて、ひっく〜い声でそう言いかけた時…
「翔さん。ただいま。」
ふんわりふわふわな天使の笑顔を浮かべた奥様…
俺の救世主が戻って来た。
「あぁ。おかえり。」
さっきの不機嫌さはどこへやら。
慌ててタバコを消すと、真っ黒な帝王様オーラから真っピンクな激甘王子様オーラにスイッチを切り替えて、愛しの奥様の所まで歩いて出迎える。
「手……それに頬も冷てぇじゃねぇか。風邪ひいたらどうするんだ？」
手を握って、その冷たさにびっくりしたのかマフラーから出てたほっぺにも手を伸ばして心配そうにさすってる。
「大丈夫よ。」
社長の腕をトントンと叩くとふんわりと微笑む。
「ったく…買い物は俺も一緒に行くって言ってんのに…。」
「しょーちゃんはお仕事してください。」
「お前と夕飯の買い物行く時間くらい割いたって俺は何ともねぇのに…。」
子供みたいにいじけてる社長は奥様がどこに行くのにもべったりと着いて行きたいらしい。
それだと困ると奥様から相談されたのは年が明けてから…。
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ゆーか.Ss.Kn.Ti(プロフ) - 俺様しょーちゃん素敵でした！夢主以外は冷酷な鬼社長なのに夢主には甘々な社長のギャップがとても良かったです！ (2018年5月23日 11時) (
レス) id: 46f7e9ba0d (このIDを非表示/違反報告)
sallysally67(プロフ) - 一気に読み漁りました。んも〜溺愛ぶりがたまらないです。甘い甘い雰囲気の中で素敵な言葉が交差するので、余韻に浸ることができて夢心地。櫻井社長の気持ち良い程の溺愛に思えるのは、しおななさんの紡ぐ言葉だからこそですね。 (2018年5月18日 9時) (レス) id: 8738f1c5dc (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - う〜ん、ここまでくるとお見事！としか言いようがない〜 めっちゃ楽しかったです (2018年5月10日 10時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
wakana2145(プロフ) - また、この小説が読めて凄く嬉しいです！！溺愛翔くんに何度読んでもにやけてしまいます！ほかの作品も楽しみしています、頑張ってください！ (2018年4月25日 21時) (レス) id: 567c211a3d (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 凄く嬉しいです、更新ありがとうございます。 (2018年4月9日 13時) (レス) id: 328b884698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2015年9月25日 11時
