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カッコ悪ぃ…
マジで俺ってカッコ悪過ぎる。
俺よりアイツとの過ごした時間のが長いなんて百も承知で…
これから先は間違いなく俺と過ごす時間の方が長いのに、それだけじゃ満足できない。
過去をもらうなんてそんな事はAの好きな魔法使いのババァにでも頼まない限り無理だ。
わかってる…
わかりきってる事なのにAを全部、俺がだけが独占したい欲は到底抑える事ができずに…。
さすがにアイツの前や、父親の前じゃ大人ぶって必死に隠していたが…。
Aにもこんな俺は知られたくなくて…
余裕のある大人でいたが、入籍を済ませてこれから甘い時間を過ごしてAを一番近くで感じれば、この気持ちは自然と治ると思ってたのに…
Aの口から出た『ケンちゃん』に反応した俺の醜い嫉妬心は、父親もアイツもいない二人きりの空間に抑える事ができずに爆発した。
マジで…
カッコ悪ぃ…。
自己嫌悪に苛まれる俺に届いた、微かに鼻をすする音。
その音のする背後にバッと身体を反転させると、目に涙を溜めながらも泣くまいと必死になってるA。
「…何で…？」
そっと手を伸ばし涙袋を親指でなぞると、堰を切った様にポタポタ涙が俺の指に落ちてくる。
「…A…？」
「…嫌い？」
「ん？」
「もぉ…私…嫌になっちゃった？」
目にいっぱい涙を溜めて頼りなさげに伝えるAの身体が震えてる。
それは、まるでオオカミに狙われてる子ウサギの様で…
俺がそうしたと容易に想像がつくのにどうしょもない庇護欲を掻き立てられて…
腕の中に誘い込む。
「…悪い…。」
「…。」
「ただの嫉妬だ。」
「…ん？」
「『ケンちゃん』に嫉妬した。」
「…バカ…。」
「…あぁ…。」
「もう私は翔さんのお嫁さんなのに…。」
「…だな。でもお前可愛いしな。」
「意味わかんない。」
縋る様に俺のジャケットをキュッと握ると、小さく息をつく。
「俺はいつまでも『翔さん』だしよ…。」
「そんな事で？」
泣きながらも『クスクス』と笑う。
「俺は小さなAと手も繋いでねぇし、風呂も入ってねぇ。」
「私だって小さな翔さんと手を繋いでないよ？」
「…。」
「翔さん？」
「…ん？」
「小さな私とは今更手を繋げないけど…。」
そこまで言って俺の鎖骨に額を押し付ける様にして更に身体を密着させる。
「私達の小さな子供と三人で手を繋いで歩けるね？」
あぁ…
どんなに年が上でも俺はAには敵わないのかと悟った新婚初夜…。
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ゆーか.Ss.Kn.Ti(プロフ) - 俺様しょーちゃん素敵でした！夢主以外は冷酷な鬼社長なのに夢主には甘々な社長のギャップがとても良かったです！ (2018年5月23日 11時) (
レス) id: 46f7e9ba0d (このIDを非表示/違反報告)
sallysally67(プロフ) - 一気に読み漁りました。んも〜溺愛ぶりがたまらないです。甘い甘い雰囲気の中で素敵な言葉が交差するので、余韻に浸ることができて夢心地。櫻井社長の気持ち良い程の溺愛に思えるのは、しおななさんの紡ぐ言葉だからこそですね。 (2018年5月18日 9時) (レス) id: 8738f1c5dc (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - う〜ん、ここまでくるとお見事！としか言いようがない〜 めっちゃ楽しかったです (2018年5月10日 10時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
wakana2145(プロフ) - また、この小説が読めて凄く嬉しいです！！溺愛翔くんに何度読んでもにやけてしまいます！ほかの作品も楽しみしています、頑張ってください！ (2018年4月25日 21時) (レス) id: 567c211a3d (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 凄く嬉しいです、更新ありがとうございます。 (2018年4月9日 13時) (レス) id: 328b884698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2015年9月25日 11時
