２５５☆ ページ15
噂には聞いていたけど…
本当に呆気ない。
書類上というか戸籍上の立場と変わっただけで、私は何も変わらない。
あ…名字ももう違うのか…。
「さてと…。」
「…ん？」
「正式に俺のモンになったお前の味見をさせてもらおうか。」
イマイチ実感がない私を意地悪く小さく笑って玄関先で子供を抱っこするみたいに抱き上げる。
「ちょ…！」
「風呂がいいか？ベッドがいいか？俺はここで立ったままでもいいが…。」
「バカ！」
ペシペシと背中を叩く私は無視で、問いかけたのは翔さんなのに私の返事を聞く素振りすら見せないでスタスタと寝室へ向かってる。
「今日はベッドの上のノーマルで勘弁してやる。」
「もぉ！あんまり意地悪ばっかり言うとお父さんとケンちゃんに言いつけるよ！」
ドアを私の抱いてない方の左手で開けると、半開きのドアを足蹴にする。
少し乱暴なその態度に、ん？いつもと違う？ってどっかで違和感を感じて。
投げられる様にベッドに落とされた時に、違和感は確信になって。
私の上に乗っかった翔さんの目は何も映してない様な目をしていて、そんな目で翔さんは私を見た事がないからゾクリと背中が粟立つ。
「…しょ…さん。」
恐る恐る翔さんのほっぺに手を伸ばすけど、ほっぺに触る前に手首を捕まれ顔の横に押さえつけられる。
「…ど…した…の？」
今夜は所謂、新婚初夜のはずなのにそんな甘い響きとはかけ離れてる翔さんの表情と今の状況。
さっきまでは普通だったのに…
寝室に入った途端に豹変した翔さんの態度。
「…。」
「…翔さん…？」
瞬きも忘れた様に微動だにしない。
「お前は…。」
やっと翔さんが発した声は低く掠れていて。
「俺をどうしてぇんだよ。」
「…。」
「やっと緊張から解放されて…入籍済ませて…。」
顔は無表情のままだけど、発せられる声が苦しそうで…。
「はぁ…ダメだ…。」
私の手首を掴んでた手を離すと、隣にゴロンと転がって、腕で目を隠す様にする。
「…翔さん？」
「お前の前じゃ俺もタダのガキだな。」
「…うん？」
「『ケンちゃん』か…。」
翔さんの言葉で、必死に理解しようとするけど尚の事意味がわからなくなてきた。
「…なぁ…？」
「ん？」
「俺は…いつまで………。」
「なぁに？」
「…何でもねぇ。」
私を拒絶する様な口調と…
ゴロンと背を向けられて目頭がキュ〜ッと熱くなった。
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ゆーか.Ss.Kn.Ti(プロフ) - 俺様しょーちゃん素敵でした！夢主以外は冷酷な鬼社長なのに夢主には甘々な社長のギャップがとても良かったです！ (2018年5月23日 11時) (
レス) id: 46f7e9ba0d (このIDを非表示/違反報告)
sallysally67(プロフ) - 一気に読み漁りました。んも〜溺愛ぶりがたまらないです。甘い甘い雰囲気の中で素敵な言葉が交差するので、余韻に浸ることができて夢心地。櫻井社長の気持ち良い程の溺愛に思えるのは、しおななさんの紡ぐ言葉だからこそですね。 (2018年5月18日 9時) (レス) id: 8738f1c5dc (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - う〜ん、ここまでくるとお見事！としか言いようがない〜 めっちゃ楽しかったです (2018年5月10日 10時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
wakana2145(プロフ) - また、この小説が読めて凄く嬉しいです！！溺愛翔くんに何度読んでもにやけてしまいます！ほかの作品も楽しみしています、頑張ってください！ (2018年4月25日 21時) (レス) id: 567c211a3d (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 凄く嬉しいです、更新ありがとうございます。 (2018年4月9日 13時) (レス) id: 328b884698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2015年9月25日 11時
