◆黒執事◆〜シンデレラの罪〜

41＊おかしな事 ページ45

葬儀屋…──＜シエルside＞


ア)「見惚れちゃったかい?」

シ)「ﾊｯ!))そ そんなわけあるか

早く蓋を閉めろ!」

ア)「はぁい…おやすみぃ〜 起こして悪かったね

ぇ ﾋｯﾋｯﾋ…」

死体に語りかけながら蓋を閉めるアンダーテイカー

いっそ一緒に棺に入っていろ←

ア)「でも確かに伯爵が気づいた通り…今回のお客

さんはみ〜んな色白でねぇ…可笑しな事に空っぽ

なんだよ…」

シ)「空っぽ?」

セ)「…もしや…」

ア)「そう 本当に文字通り血の気がない…というか


“血がない”んだよ…」


血が…ない…?

ア)「引き取ったとき大きさの割に軽いと思ったか

らちょっと開いてみたんだよ 所がお腹を切って

もちっとも血が滲み出さえしない…いくら死んで

たってそんなのはおかしい 小生も初めて見たよ」

シ)「他の被害者もそうなのか?」

ア)「あぁ そうさ…お陰でお色直しが殆ど必要な

い…腕の振るい甲斐がなくて…何とも味気無い事

件だよ…ﾋｯﾋｯﾋ」

シ)「…」

小さな穴のような傷…

生命に関わる血管…

殺害目的の犯行…

血のない死体…

シ)「他に何か情報は?」

ア)「そうだねぇ…あぁそうだ

死体の情報じゃあないんだけどね 昨日の夜中に

お客さんの家の窓から明かりが漏れてるのを見た

って証言が上がっているそうだよ…寝室の窓から」

! 犯人は犯行時に灯りを点けたのか?バカか…

そんな事をすれば姿を見られる可能性は上がる

犯人は余程の馬鹿か 腕に自信のあったのか…

ア)「それから…」

アンダーテイカーが何かを差し出した

奴の掌に乗っかった小さな花……薄桃色の霞草

シ)「! (またか…)やはり…あったか」

ア)「おや?知っていたのかい?遺体の枕元に転が

っていたよ…手掛かりになるかは分からないけど

……いるかい?」

シ)「…一応受け取っておく セバスチャン」

セ)「御意」

アンダーテイカーから受け取った霞草をセバスチ

ャンはハンカチ包んで仕舞い込む

シ)「じゃあなアンダーテイカー」

ア)「バイバイ伯爵 またおいでぇ〜 執事くんもね」

アンダーテイカーの笑い声を背に僕たちは屋敷へ

向かった 犯人の行動や目的は予想できてきた…

屋敷で落ち着いて情報をまとめるとしよう

それに…屋敷にあの3人とタナカが居るとはいえ

Aを一人にしておくのはやはり心配だ

シ)「急げ」

セ)「Aさんが心配ですか?((ｸｽｯ」

シ)「…それはお前もだろう?」

セ)「……」

なぜ黙る?やはりらしくない

何かおかしい…

42＊メイドの問い掛け→←＊Cinderella �鶩＊

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