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Episode12 GAME ページ41
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「おいA。そんなゆっくり食ってていいのか」
「え？」
「はぁ、なんか最近ボーっとしてばっかじゃないか？なんか悩みがあるなら言えよ」
心配そうな智兄さんの声に私は食べかけのまま止めていた手を動かす。
今日休みだという智兄さんが作ってくれたハムチーズエッグサンド(と兄さんが言っていた)を口に押し込みながら私は首を振った。
「ううん、大丈夫。ちょっと仕事のことで」
「そうか。ならいいけど…ほら、遅れるぞ」
「あ、それは平気。昨日櫻井さんが、最近忙しいから少しゆっくりでもいいって」
とは言っても、そのゆっくりは普段の始業時間くらいなのだけど。
まぁゲームの製作期間中は仕方がない。
「じゃあもうちょいゆっくりできるな」
「うん。でも早めに出ることにするよ」
智兄さんに言いながらアイスコーヒーで朝食を流し込んで立ち上がる。
時計の針はいつも家を出る時間に刻々と迫っていた。
二宮さんとのお食事に行ってから一週間近くが立っていた。
今日は二宮さんと出会ってから何度目かの金曜日。
梅雨入り前だった季節は移ろい暦は七月へと時を進めていた。
先日二宮さんと別れた後からふとした時に二宮さんの顔がよぎって心がざわざわと落ち着かなくなる。
今でもその顔を思い出すだけで手の甲と頬が触れた唇の熱を忘れまいとするように熱くなる気がする。
これはまずいと私は妙な焦りを覚えていた。
仕事どころか日常生活にも集中しきれない。
どうしても、二宮さんのことを考えてしまう。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年7月10日 15時
