Episode7 -5 ページ5
.
目が合って、相葉さんがひらひらと大きな手を振っている。
それに手を振り返しながら櫻井さんが私と二宮さんを見た。
「んで、ニノ、なんか欲しいもんとかない」
「え、欲しいもの？」
「はい。二宮さんにはかなり助けてもらったんで」
松本くんが付け足す。
二宮さんはパチパチと目を瞬かせていた。
今回はずいぶんと二宮さんに助けられてしまった。
勤務時間外に私を連れ出してくれたり、それこそ櫻井さんにゲームを貸してくれたり。
本来はこちらサイドの仕事であって二宮さんが奔走しなければいけないことではなかったのだ。
「食べたいものとかあればおごってくれますよ、櫻井さんが」
「おい、それに関してはいつもおごってんだろ」
私の言葉に櫻井さんが心外だとでも言いたげに抑揚のない声で突っ込んだ。
二宮さんは考えるように煮魚の身を箸の先でつついている。
「じゃあ」
顔を上げて、二宮さんは私の方を見た。
隣に座っているから至近距離で犬を彷彿とさせる目が瞬く。
「今度はちゃんと俺とデートしてもらえませんか」
「え…」
二宮さんはずいと顔を近づけてくる。
「でもこないだ…」
ついそんな言葉が口をつく。
二宮さんは首を横に振った。
「あれは半分仕事みたいなものだったんで、ノーカンです」
「まぁ、ノーカンだな」
櫻井さんには聞いてません。
「今度は仕事のための映画なんかじゃなくて。ちゃんと、昼間に、デート、したいです」
あまりにも真っすぐ見つめられて私は視線をさまよわせる。
逃げるように右を向けばニヤニヤしてる櫻井さんと我関せずと刺身を口に運んでいる松本くんがいた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 403人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年7月10日 15時
