Episode7 -4 ページ4
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その夜、相愛亭。
人数が四人なので今日はいつもと違ってテーブル席だ。
相葉さんの姿はカウンターの中だからここからではちょっと遠くに見える。
「かんぱーい！」
「乾杯！」
櫻井さんの声に合わせてジョッキがいい音を立ててぶつかった。
金曜日の夜だけあって相変わらず店内は仕事帰りらしい社会人たちで賑わっている。
お刺身の盛り合わせを丁寧にお皿に盛った櫻井さんはそれを二宮さんを除いて私と松本くんの前に置いた。
ビールジョッキの中身はすでに半分以上なくなっている。
「あれ、二宮さんはいいんですか？」
「あぁ、俺は生魚苦手なんで」
「そうなんですか」
そう言うと二宮さんは目の前のから揚げをつまむ。
このお店はどうにも唐揚げが絶品だ。
以前櫻井さんに聞いたところによると相葉さんは唐揚げが大好きで大層研究を重ねたらしい。
「来週からはシナリオチームとの合わせですね」
「だな。一歩前進」
松本くんの言葉にうなずきながら櫻井さんはビールを煽る。
よく飲む人だ。
「すみません、ビールおかわり！」
「あ、俺もください」
松本くんが手を上げると流れで二宮さんと私を見る。
「二人は？」
「俺もビールで」
「じゃあ私、梅酒ください」
頼んだお酒が運ばれてくると一緒にちょっと豪華な煮つけが人数分テーブルに並べられた。
頼んだ覚えはない品だったけど、どうやら相葉さんからのお祝いだそうだ。
櫻井さんが仕事が進展した話を相葉さんにしていたらしい。
「さすが相葉ちゃん、良いやつだなぁ」
「相変わらずだね相葉さんは」
櫻井さんと二宮さんは顔を見合わせて笑うと遠くカウンターの向こうに見える相葉さんを見た。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年7月10日 15時
