Episode9 -6 ページ23
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そんなわけで、うちのラインで制作したゲームのコラボとなればうちのラインの仕事になるのは当然の流れなのだ。
「それじゃあさらに忙しくなるのか」
洋食屋さんの窓際。
オムライスを口に運びながら智兄さんは眉間にしわを寄せた。
「忙しいのはありがたいことだけどね」
ゲームは人気商売だ。
こうして仕事があることはそれだけそのゲームが影響力を持つことができたことに他ならない。
ただでさえ制作中は忙しく満足に休みを得られない時も多い。
それをよく知っている智兄さんは私の身体を心配してくれているようだ。
「そう忙しいならあんまり外で歩かず真っすぐうちに帰ってこいよ」
「うん、そうする」
智兄さんは元来積極的なアウトドアタイプではない。
うちで兄さんとゆっくりすごす方が身体にも心にもいいかもしれない。
「あんま無理すんなよ」
「はーい」
返事をしたところでブーとスマホが震えた。
食事の手を止めて画面を開くと二宮さんからのメッセージが入っている。
『コラボカフェ、それはすごいですね。土曜日にはお祝いさせてください』
「ふふ」
「どうした？」
「ううん、なんでもない」
智兄さんに言いながら私はテンキーに指を走らせる。
『ありがとうございます。また相談に乗っていただくかもしれません』
返事をして画面を消す。
次の会議で二宮さんに会えることを楽しみにしながら私はビーフシチューを掬い上げるのだった。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年7月10日 15時
