シンデレラ・ディレクション #2 《ars/k.n/0617》 (ページ22)

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Episode9 -5 ページ22

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何でもゲームやアニメとコラボをしたメニューを取り扱うカフェを運営している会社からうちにコラボ依頼があったらしい。

それが正式に通ったんで櫻井さんまで話が流れてきたようだ。

「急ですね」

「移植作が出るってことで、急遽組まれたらしいな」

「櫻井先輩、関わってないんですか」

コーヒー片手にデスクまで戻ってきた松本くんが櫻井さんに問いかける。

「おはよA」

「おはよう松本くん」

「俺に来た話じゃないからな。プロデューサーの管轄だろ」

言いながら櫻井さんはいくつかの資料を手にして私に押し付ける。

「とりあえず過去のコラボカフェの資料をもらったから目通せ。移植と並行してこっちも練るぞ」

「わかりました」

私は鞄を机に置いて早速資料に目を通し始めた。

ほかの業種のことはよくわからないけれど、ゲーム会社ではラインというものが存在する。

簡単に言えば、担当しているゲームによってスタッフが大体住み分けされて班になっている感じだ。

制作チームごとに別の作品を作っているので、社員一人一人がリアルタイムで関わっているゲームはたいてい一つ、多くても手伝い程度で二つほどだ。

要するに社員は皆それぞれの仕事に応じてバラバラのゲームに振り分けられておりそのゲームの製作チームをプロデューサーやディレクターの名前を取って誰ラインなどと呼んだりする。

私がいるのは櫻井ラインと呼ばれているラインでシンデレラのスタッフチームである。

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