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Episode9 -2 ページ19
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駅前にある居酒屋、小さな個室の中で。
二宮さんはビールを一気飲みするとガタンと机に打ち付けた。
私は梅酒のグラスを傾けながら苦笑い。
「イベントって、ゲームみたいに言いやがって」
「まぁ、例えとして真っ先にゲームが出てくる気持ちは分かりますけどね」
二杯目のビールを注文している二宮さんにそう言うと、二宮さんは「はぁ」とため息を吐く。
「あぁ、別に嫌がってるわけじゃないですよ」
「え？」
「むしろ翔ちゃんの目から見ても仲良くなってるって言われたのは嬉しいんです。俺は貴女が好きですから」
「っ！」
急に、本当に急にそんなことを言うものだから心臓が跳ねる。
二宮さんは気だるげに私の目を見上げて口元を和らげる。
「恥ずかしいですよね、ああやって言われると」
「……そう、ですね…」
今の方が私は断然恥ずかしい。
個室と言っても完全に壁で覆われてるわけじゃない。
後ろの人には聞こえてしまってるんじゃないかと思うと心臓がバクバクする。
でもどうやら、二宮さんの愚痴は照れ隠しのようだ。
運ばれてきた焼き鳥を片手にまたビールを飲むと二宮さんはようやく落ち着いたように「ふう」と細い息を吐いた。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年7月10日 15時
