シンデレラ・ディレクション《ars/k.n/0617》 (ページ11)

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Episode1 -5 ページ11

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ベッドにもぐりこんだのはだいぶ夜も深まってきたころだった。

久々に二人だけの飲み会で二人して結構飲んでしまったのでソファで寝落ちそうだった智兄さんを何とか布団の上に転がしてから私は自分の部屋に戻ってきた。

布団に入り込むとアルコールにふわふわした頭はすぐに眠気を充満させる。

けれどその脳裏に二宮さんの顔が浮かんでどうにも眠りを妨げた。

重たい瞼は視界を暗闇にしているけれどなかなか意識は眠りに落ちてくれない。

「……二宮和也さん」

もごもごと呟いてみる。

初めて会った人に突然告白されるなんて言うのはもちろん初めての経験だ。

…いや、どうやらはじめましてではないようだけど、私はどこで二宮さんに会っているのかが思い出せない。

少なくとも仕事の関係で会った人の中にはいなかったと思うんだけど。

思い出せるまで俺に付き合ってください、と二宮さんは言っていたけれど、例えば私が明日目が覚めたときに思い出したとしたら今後二宮さんとの縁はあっさり切れてしまうのかな。

それはちょっと、もったいない気もするな…。

そんなことを思っているうちに目の前がさらに暗くなっていく。

本格的に睡魔に飲まれて私はそのまま眠りの中へ落ちていった。

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