07−新しい子 ページ7
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さわさわと優しい風が私の頬を撫でて、体いっぱいに自然の香りが私の中に入り込む。
どこからともなく聞こえるフクロウの声とガサガサ揺れる木葉達に、ワクワクが止まらない。
すると木の枝を折って背後から現れたのは1匹のシカだった。
近づいてきたかと思うと、大きな鼻を私の頬にすり寄せて来る。
「こんばんは。凄く恋しかった。貴方は？」
『僕もだよ。会えて嬉しい。皆も会いたがってるよ』
「どこへ行くの？ もしかして連れて行ってくれるの？」
シカが私の服を引っ張ってぐいぐいと奥へと促す。
従うままについていけば、森の奥ではまだ眠らない動物達が集まって夜の集会をしていた。
「みんな！ まだ眠ってなかったんだ。良かった」
『A、会いたかったよ！』
「嬉しい！ みんなで何をお話していたの？」
みんな私がやって来ると駆け寄って来る。
会いたかったのは私だけじゃないと思うと凄く嬉しくなってしまう。
するとその中でリスのカナヲが私の肩に上手に乗ってまるで何かを訴えるかのように肩口の服の布をかじってきた。
「カナヲ、どうしたの？」
『この奥に新しい動物が来たの。だけど私達は近づけなくて…』
「新しい動物？ そう、怖いのね。大丈夫、私が挨拶してきてあげる！」
ここにいる友達はみんな新しい子が怖いみたい。
誰でもそう。未知のものは怖がってしまう。
だけど私は平気。勇気を持っているから。お母様とお父様がくれた、勇気が。
動物達に案内されながら奥に進むと、開けた所に古びた納屋が建てられていた。
今にも崩れそう。新しい子はここをねぐらに住んでいるの？
「…ここ…何だか…」
気配がしないそこを覗いても、案の定誰もいなかった。
だけど代わりにランタンがほのかな明かりを放っていて、そのすぐ側には小さなベッドすらある。
＿そう。何だか、人が生活しているみたいな状態。
新しい子はきっと頭が良い子なんだ。きっとそう。
『A、気をつけて！』
『ここの動物が帰ってきた！ 僕たちは怖いから先に逃げるね！』
「えっ？ みんな…」
外で慌てて散り散りに逃げて行った動物の足音と声が聞こえて、思わず入り口の方へ駆ける。
…先の木葉が揺れ、ゆらりと大きな体が月に照らされて現れた。
「グルル…！」
「…オオカミ…？」
細長い顔つきに鋭い目。尖鋭な犬歯。
顔を横切る4本の傷。
＿そして月の下で輝く白銀の毛並。
「綺麗…」
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えん - 実弥推しだったので、すごく嬉しいです！リクエストできるなら、白雪姫の夢主と王子の実弥、鬼滅キャラの七人の小人、見てみたいです！ (2021年6月3日 20時) (
レス) id: dfa45071da (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - 実弥オオカミ！素敵です！リクエストしたいです！何だっけ？獣の子？の主人公を女にして師匠を実弥に、で恋物語に…それかオオカミ子供のアメとユキ？かジブリのハウルパロディ、もし叶うなら小芭内をお願いしたいです、玄弥、小芭内のお話ラブなのがなかなか無いので (2021年3月13日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
めあり - 鬼滅版シンデレラですね (2021年2月14日 4時) (レス) id: ca5a6634ce (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 湯海さん» 湯海様、最後までご愛読ありがとうございました！沢山うんうんと悩んだ結果の役ハメでしたので、そう言って頂けて努力した甲斐がありました…！この作品での実弥王子は本当にまっすぐでありながらもあざとかったですね……それすらも愛おしい(錯乱) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ayaさん» コメントに気付くのが遅くなってしまいました、すみません！aya様、こんな所にもコメント残して下さってたんですね…！ありがとうございます！aya様を幸せにする小説を作り上げることができて嬉しいです(^^) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年5月31日 17時
