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31−焔焔の騎士 ページ31

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舞踏会へと到着した金の馬車。
そこから従者のアオイに手を取られながらゆっくりとその地に足を着く。

どきどきしている胸の内。
それは期待と高揚感から、ここに到着する間に不安と怖気に変わっていた。


初めての豪華なドレスは私なんかに似合ってるのかな。
もし、奥様達に見つかってしまったらどうしよう。





「……不安ですか?」

「アオイ」





私の胸の内に気付いているかのように、アオイは見上げる。

御者のカナヲも不安そうに馬の上から見下ろしていた。





「……私は、ただの召使で…お姫様じゃないもの」

「私もただの子リスです。従者じゃない」





アオイの気の利いた言葉に何となくほっとする。
そうか。不安なのは私だけじゃないし、…いつまでもくよくよしてるのは私らしくない。

私にはお父様たちがくれた勇気と優しさがある。


ほんの少しの勇気が、私の足を舞踏会の階段へ向かわせた。





「行ってくるね」

「行ってらっしゃい」

「必ず12時までには戻ってきてくださいね」

「うん」





カナヲとアオイの見送りを背に階段を上る。
広すぎる廊下には沢山の騎士の方が並んでいて、私をじっと見下ろす。

誰もいない…。他の人はもう大広間に居るのかしら。


ふらふらと歩いていると、とりわけ存在感の強い騎士服の男性が廊下の曲がり角で見える。
その方は私を見つけた途端持ち前の長い脚でスタスタと私の前までやってきた。





「む! 迷ったのか?」

「は、はい。今来たんですけど」

「そうか! 入場は先程終了したばかりで、迎えに行ってやれなくてすまなかった!」





この騎士の方、なんて眩しくて声が大きいの…!
びっくりして声が裏返ってしまった。

まるで炎の化身みたいな色合いの髪を持っている。


彼はさっと私に腰を折ると白の手袋した手を差し出される。
疑問に首をかしげると「大広間まで案内しよう!」と一言。





「いいんですか?」

「ああ、今ならまだ王子とのダンスに間に合うだろう!
あの頑固な王子も君が望むなら喜んで手を取ると思うぞ」

「…い、いえ、私は王子様と踊ろうなんて考えてもいません
舞踏会に来られただけで満足だから」

「む? 勿体ない、こんなに美しいのに」





さらっと言ってのけた彼の言葉で頬に熱が集まるのがわかる。
宮殿の人は騎士の方まで女性の扱いに慣れてるのかしら…。


私がなんて返そうと悩んでるうちに、目の前にとりわけ大きな扉が見えてきた。





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えん - 実弥推しだったので、すごく嬉しいです!リクエストできるなら、白雪姫の夢主と王子の実弥、鬼滅キャラの七人の小人、見てみたいです! (2021年6月3日 20時) (レス) id: dfa45071da (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - 実弥オオカミ!素敵です!リクエストしたいです!何だっけ?獣の子?の主人公を女にして師匠を実弥に、で恋物語に…それかオオカミ子供のアメとユキ?かジブリのハウルパロディ、もし叶うなら小芭内をお願いしたいです、玄弥、小芭内のお話ラブなのがなかなか無いので (2021年3月13日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
めあり - 鬼滅版シンデレラですね (2021年2月14日 4時) (レス) id: ca5a6634ce (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 湯海さん» 湯海様、最後までご愛読ありがとうございました!沢山うんうんと悩んだ結果の役ハメでしたので、そう言って頂けて努力した甲斐がありました…!この作品での実弥王子は本当にまっすぐでありながらもあざとかったですね……それすらも愛おしい(錯乱) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ayaさん» コメントに気付くのが遅くなってしまいました、すみません!aya様、こんな所にもコメント残して下さってたんですね…!ありがとうございます!aya様を幸せにする小説を作り上げることができて嬉しいです(^^) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年5月31日 17時

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