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14−凭る慰み ページ14

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野生のオオカミだからウサギさんを丸々一匹渡されるとでも思っていたけれど、びっくりした事に出されたのはフルーツと焼き魚だった。

 そういえば彼は生肉は食べられないって言っていたっけ。
オオカミなのに不思議。だけど助かった。





「実弥、こんなに食べられないよ。大事に取ってあるんでしょ?」

「良い。お前が食いたいだけ食え」

「でも…」





納屋に着くなり、実弥は私に沢山の食材を出してくれた。
どれも腐らないように加工してあって、こんな事をいくら頭の良いオオカミでも思いつくのかと心の中で驚愕していた。


それとなく聞けば、丸まって座っていた実弥が自身の前足に顎を置いてそっぽを向く。





「…狩人がそれをしてるのを見たんだよ」

「そうだったんだ。見ただけで覚えたのね。実弥って凄いね。すごく賢い!」

「……別に…」





以前よりもずっとスムーズに会話が進む。
そして彼もこんな風に無愛想だけど、ぶんぶんと風を切る尻尾が彼の感情を上手く伝えてくれているから、全く苦にならない。


お腹は減っているけど、折角実弥が生きる為に必死で獲った食事だ。
私なんかが平らげていいものじゃない。





「ご馳走様、実弥、どうもありがとう」

「…全然減ってねェじゃねぇか。もっと食え」

「ううん。平気だよ。もうお腹いっぱい」

「こんなんで満足すんのかァ?」

「うん。ありがとう、実弥のおかげ」

「……」





控えめに手を伸ばして彼の胴体を撫でた。

ぴくん、と反応したそれは、私が撫でるのを止めると鼻で私の手をもっと撫でるようにねだってくる。


 こんな静けさがずっと続けばいいのに。





「明日も来んだろォ」

「…どうかな。わからない」

「…何で」

「…仕事が山ほどあるから…毎日は来れないの」





無言で私に擦り寄る実弥が恋しい。
私も毎日会いに来たい。

だけどそれを許してくれないのが現実。





「令嬢じゃねェのか」

「私は、ただの使用人だから」

「……良く扱われてねェんだな」

「そうね。…大事にされてるとは、言えない」





しゅんと垂れた実弥の耳。

申し訳なさそうに垂れたそれが、まるで私に「ごめんね」と言っているようで。





「貴方のせいじゃない」

「…Aのせいでもねェ」

「……!」

「……もう、すっかり更けちまったな」





夜の森は暗い。
月明かりも外灯代わりにならない。

ベッドに移動した実弥の横に座ると、彼はすんなりと私を受け入れてくれた。





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えん - 実弥推しだったので、すごく嬉しいです!リクエストできるなら、白雪姫の夢主と王子の実弥、鬼滅キャラの七人の小人、見てみたいです! (2021年6月3日 20時) (レス) id: dfa45071da (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - 実弥オオカミ!素敵です!リクエストしたいです!何だっけ?獣の子?の主人公を女にして師匠を実弥に、で恋物語に…それかオオカミ子供のアメとユキ?かジブリのハウルパロディ、もし叶うなら小芭内をお願いしたいです、玄弥、小芭内のお話ラブなのがなかなか無いので (2021年3月13日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
めあり - 鬼滅版シンデレラですね (2021年2月14日 4時) (レス) id: ca5a6634ce (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 湯海さん» 湯海様、最後までご愛読ありがとうございました!沢山うんうんと悩んだ結果の役ハメでしたので、そう言って頂けて努力した甲斐がありました…!この作品での実弥王子は本当にまっすぐでありながらもあざとかったですね……それすらも愛おしい(錯乱) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ayaさん» コメントに気付くのが遅くなってしまいました、すみません!aya様、こんな所にもコメント残して下さってたんですね…!ありがとうございます!aya様を幸せにする小説を作り上げることができて嬉しいです(^^) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年5月31日 17時

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