01−呪い ページ1
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_昔々遠いところに小さな王国がありました。
古い伝統を守りながら平和で豊かな国でした。
民を思う国王は隣国のお妃様と結婚し、美しい王子様が生まれました。
しかし…お妃様は自分の為にお金を使い、生まれた王子様には見向きもしなかったのです。
お妃様のせいでお金は無くなる一方…。
そして、不幸な事に国王様も病に伏して寝たきりになってしまいました。
重くなる税に民は激怒。
そして王子さまの誕生日の夜、事件は起きました。
「税金を減らせー!」
「圧政はやめろ!」
「王妃を追い出せ!」
燃え盛る城門。
不満が高まった民達の反乱が起こり、お城に住んでいた人達は皆追い出されてしまいました。
そして、この反乱でお妃さまは国外へ追放され…寝たきりの王様は業火に燃えて、帰らぬ人となってしまったのです。
_そして、残るはまだ幼い王子さま。
家来達に助けられ、命からがらお城を抜け出します。
……しかし、逃げた先には、恐ろしい魔女がいました_。
「_おやぁ…? どうしてワシの森に人間が居るんだい?」
「…っま、魔女…!」
「人間臭くてたまらないよ」
魔女は人間が嫌いでした。
そして、特に子供が大嫌いでした。
自分の敷地に迷い込んだ幼い王子さまを許すはずも無く……魔女は無慈悲にも王子様に呪いをかけてしまうのです。
「おまえに呪いをかけてやろう。ワシの敷地に跨いだことを永遠に後悔する呪いをな…」
「う“……ッ!」
美しい王子様の体はみるみる毛深くなり、輝く雪のような銀髪は全身を包みます。
そして柔らかな手足は爪が伸び、掌には肉球が浮かんで…。
「…グルル…ッ!」
喉からは獰猛な獣の唸り声があがりました。
その場から逃げた王子様でしたが、もう手遅れでした。
行き着いた空き家のガラスで自身の姿を確認した王子様は絶望しました。
_自分が、酷く醜いオオカミにすっかり変身していたからです…。
呪われた王子さまはその後魔女の家から魔導書を盗み出し、何とか呪いを解く方法を探しました。
しかしそこに書かれてあったのは、今の王子さまでは到底成し遂げられそうにもない方法でした。
ーー20歳までに運命の女性とキスをする。
悲しみに明け暮れた王子様は、それから孤独に森で暮らし始め…すっかり人間嫌いになってしまったのです。
……これは…愛を知らない王子様が彼女と出会って、真実の愛を見つけるシンデレラストーリー。
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えん - 実弥推しだったので、すごく嬉しいです!リクエストできるなら、白雪姫の夢主と王子の実弥、鬼滅キャラの七人の小人、見てみたいです! (2021年6月3日 20時) (レス) id: dfa45071da (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - 実弥オオカミ!素敵です!リクエストしたいです!何だっけ?獣の子?の主人公を女にして師匠を実弥に、で恋物語に…それかオオカミ子供のアメとユキ?かジブリのハウルパロディ、もし叶うなら小芭内をお願いしたいです、玄弥、小芭内のお話ラブなのがなかなか無いので (2021年3月13日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
めあり - 鬼滅版シンデレラですね (2021年2月14日 4時) (レス) id: ca5a6634ce (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 湯海さん» 湯海様、最後までご愛読ありがとうございました!沢山うんうんと悩んだ結果の役ハメでしたので、そう言って頂けて努力した甲斐がありました…!この作品での実弥王子は本当にまっすぐでありながらもあざとかったですね……それすらも愛おしい(錯乱) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ayaさん» コメントに気付くのが遅くなってしまいました、すみません!aya様、こんな所にもコメント残して下さってたんですね…!ありがとうございます!aya様を幸せにする小説を作り上げることができて嬉しいです(^^) (2020年11月30日 17時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年5月31日 17時