Riant？ (ページ9)

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『A、今日はどんな一日だった。
きちんとバレエの稽古には行ったのか。』

「はい、お父様。」

『母さんはな、実に美しいプリマだったんだぞ。
お前をバレエ団に入れるつもりはないが、今通っている教室は名門中の名門だ。
母さんのように、お前は教室で1番のプリマになるんだぞ。いいな。』

「はい、お父様。」

楽しくない会話

味のしない料理

私を見ているようで見ていない父。

サーカスを見ていた時間に戻らないかな･･･

宙を舞う剣
空中を揺れるブランコ
口から吐かれる炎
逆立ちの象
･･･ニコニコ笑顔のピエロ

もう一度見たい。今度は最後まで。

阿「旦那様、お呼びでしょうか」

『おぉ、阿部。よくやってくれているようだな。
私は明日から仕事で暫くロンドンへ行かなくてはならないのでな。
くれぐれも、Aの事を頼んだぞ。』

阿「お任せくださいませ。」

「え、？お父様、ロンドンへ行かれるのですか？」

『急遽決まったんだよ。寂しい思いをさせるが、私がいない間もきちんと稽古に励みなさい。』

「わかりました。」

「阿部！！！！明日からお父様がいないって！！
明日もサーカスを見に行きましょう！！」

阿「お嬢様、残念ながら明日はアーセナル様のご自宅でパーティがございます。」

「何時からなの･･･」

阿「17時からですが、なにぶん距離がございます為
15時の回を見る事は･･･」

「そう。仕方ないわね。」

阿「申し訳ありません」

「阿部が謝る事じゃないじゃない。
決まっている事なのだから。」

私は、アクセサリーBOXにしまったピンク色の造花をただ眺めることしか出来なかった。