Riant？ (ページ13)

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こっちこっち、と連れて来られたのは
あのテントの中。

やっぱりこの入口をくぐると異空間に入り込んだような気持ちになる。

佐「A、そっちじゃなくて、こっちだよ」

客席に入ろとする私をさっくんが止める。

え、そっちは･･･ステージ･･･

私なんかが上がっていい場所じゃ･･･

客席とステージの間で固まって動けない私に

さっくんはステージからおいでおいでしてる。

それでも動けない私を見て、痺れを切らしたさっくんがわざわざ戻ってきてくれた。

佐「どうしたの？」

「あの、私は･･･ここに上がってもいいのかなって･･･」

佐「本当はダメだけどぉ笑Aは特別！だってもう俺の友達でしょ？」

友達だなんて。今まで私には“友達”っていたのかな？

学校の同級生？

バレエ教室の同期？

いいや、こんな自由も自分も無い私に友達なんていた事なかった。

そんな私を、友達だなんて言ってくれるの？

私は、さっくんの友達って言っていいの？

「さっくん･･････私、さっくんの友達？」

佐「そうだよ？俺のジャグリング上手って言ってくれて
俺と話してるとき、笑ってくれたでしょ？俺、どっちも嬉しかったんだぁ。
だから、Aは俺の友達！ね？早くこっちおいで？」

さっくんの言葉は優しくて、私を肯定してくれて、受け入れてくれる。

さっくんにも、何かあるなずなのに。

私は何か言ってあげられるのかな。

そんな事を思いながら、さっくんの後を追い

ステージへと足を踏み入れた。