Riant？ (ページ11)

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「それよりも、ピエロさん」

佐「佐久間って言うの。だから、さっくんって呼んで？」

「さ、さっくん？」

佐「はいはい？」

「さっき、ジャグリングしてたでしょ？
とっても上手だったのに、なんで昨日は･･･」

佐「それが俺の仕事だし、俺にはもうこれしかないから。」

あぁ、これは聞いてはいけなかったかなぁ。

すごく、悲しそうな笑顔。

昨日見たピエロのさっくんが急にフラッシュバックした。

笑顔のはずなのに、とっても泣きそうな顔だった。

佐「ねぇ、お嬢さんのお名前を聞いてもいい？」

そう聞いてきた佐久間は、笑顔に戻っていた。

「あ、ごめんなさい。申し遅れましたAといいます。」

佐「Aさんかぁ〜。ふふっ、名前まで可愛いね」

そう言った佐久間は、とびっきりの優しい顔をしていた。

佐「あ、ねぇ、今日も見に来てくれるの？」

「今日は･･･行きたかったんだけど、従兄弟の家でパーティがあって、行けないの」

佐「パーティ？て事はもしかして、本物のお嬢様？
昨日一緒にいたお兄さんも？」

「っ･･･ーーー！その言い方は、あまり好きじゃないの。昨日の彼は、執事だけど･･･」

佐「そっかぁ、んじゃあA、って呼ぶね？」

あぁ、また。

そんな優しい顔で見ないで。

涙か出そうになるから。

俯いて我慢していると

よし！と佐久間は声を上げ、Aの手をぎゅっと握った。

え？

佐「行こ！今日見に来れないんでしょ？
だったら、特別！サーカスの裏側大公開！！なんつって笑」

そう言って、私が何かを言う前に彼は歩き出した。