LOVE YOU , LOVE ME

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2日後、俺は放課後にわざわざ薮の家に出向いた。

インターホンを鳴らすと薮のお母さんがすぐに出てきて、「久しぶりねぇ」と笑いかけられる。


ふにゃっと目が無くなる笑顔が、薮にちょっと似てる。




案内された部屋に薮はいなかった。

薮のお母さんは「もうすぐ帰ってくるからね」と言って、ジュースとお菓子を置いて行ってしまった。


光「相変わらず散らかってる笑」


サッカーのユニフォーム、無造作に積み上げられた本、色んなゲーム機、アニメのグッズ。

色んな物がごちゃごちゃ置かれてて、まるで薮の頭の中にいるみたい。



あれから2日間、薮は俺に対して不機嫌なままだった。

大した嘘はついてないし特別悪いことをしたとも思ってないけど、薮と俺が険悪だと周りがすごく気を遣ってきて申し訳ないから、仕方なく俺は薮のご機嫌取りをすることにした。

フォンダン・ショコラは作ってみると意外と難しくなくて、料理初心者の俺でも美味しくできた。


薮「よう」


しばらくしたら薮が帰ってきて、部屋に入るなり俺の隣に座る。

俺も勝手に読んでいた漫画を閉じて、カバンから紙袋を取り出す。

あの女の子が渡してた箱みたいな可愛いやつなんかじゃない、ただの無地の紙袋。


光「はい、これ」


薮は紙袋を受け取るとすぐに中身を取り出した。

中身はあの子と同じ、甘さ控えめのフォンダン・ショコラ。


薮「いただきまーす」


さすがに初めてだから見た目はそんなに良くなくてクレームをつけられるかもと身構えていたのに、薮は意外にも何も言わずに食べた。

もぐもぐとほお張る横顔をドキドキしながら見つめる。



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