LOVE YOU , LOVE ME

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バレンタイン当日。

俺は放課後に薮を指定された公園にメールで呼び出した。

わざわざ回りくどくメールで呼び出したのは、そうすれば目の前で告白される薮を見なくて済むと思ったから。

着いてきてほしいという彼女の申し出を受け、彼女がいる公園の入口から少し離れた滑り台の陰に潜む。


ここならきっと、告白する彼女の声も、返事をする薮の声も聞こえないから。



薮は本命チョコをもらって、それからどうするのだろう？

断るのかな？それとも付き合う？

想像したらまた胸の奥がズキンと痛んだ。



それから程無くして薮が公園に現れた。

俺を探してキョロキョロする薮に女の子が駆け寄って、頬を赤く染めながら薮に可愛い箱を差し出す。

箱の中身はきっと、薮好みの甘さ控えめのフォンダン・ショコラ。

薮は驚いたような顔をした後、優しい笑顔で微笑んで箱を受け取った。



心臓が、いたい。


二人はそのまましばらく話した後、女の子が先に一人で帰ってしまった。

彼女が帰った途端にムスッとした顔になった薮はずんずんとこちらに近付いてきた。


あれ？もしかして俺がいるのバレてた？



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