Beat② (ページ33)

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めめは、ヒーローだった。

まだ小さな時に愛情を受けた覚えはない。実際両親には殴られた記憶はあるのに、その顔を思い出すことが出来ない。幼いながら興味もなくて、痛いのも苦しさも、慣れもしないのに当たり前だった。

それから解放してくれたのがめめ。
あの人達を殺して、外に連れ出してくれた。
後から聞いた話だと仕事だったって。
誰か知らないけど、依頼してくれた人に大感謝。

その時から、めめとはずっと一緒。

そんな人達だったとはいえ実の親を2人とも殺したことに、めめはずっと負い目を感じてる。そして俺もそれを知ってる。

お陰で実はSの中でも1番の過保護。もう大きくなったよ、って言っても、俺が守るからって聞かないの。
最初に仕事をした時も、とっても悩んでたっけ。
結局俺が無理言って一緒にやるって言って、めめのアシスタントとして裏の世界に飛び込んだ。

銃の扱い方を教えて貰って、身を守る術を学んだ。

情報に強い方がいいから、めめが使ってなかったパソコンを借りてそっちの勉強もした。

全部全部めめに教わって、生きてきた。

ねぇ、そんな顔しないでよって。

俺はめめに感謝してるんだよ。