Beat② (ページ31)

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mg side

sk「俺からもいい？…謝って元に戻るわけじゃないけど、本当にごめん。照と一緒にいたのは俺なのに、こうなるの止められなくて」

mg「それ、ラウールにも」

sk「うん、起きたら言う。傷付けて大変な目に遭わせたのは俺らだから」

iw「言うけど、それでもごめん。迷惑かけた…、」

みんなが、どうしようもないことだって気付いてる。それは俺も同じ。だから行かせたくなかったんだ、とも正直思ったりする。
これは予想外の事故で、それを止められる可能性があるのは確かにラウールだけだった。だからあいつの決断は正しいし、結果こうしてみんなで戻ってきた。だけど、頭でわかっていたってどうしても納得がいかないような感じ。
それはもしかしたらこうなったことよりも、こうなるとわかっていて傷付く場所に送り出した俺自身に対して。

誰も悪くはないのにどうしても誰かを責めそうで、今はもうここに俺はいるべきじゃないって感じた。

mg「取り敢えず、一旦解散しません？岩本くんも佐久間くんも休んだ方がいいっすよ。ラウが起きたら、今のだけ伝えてやってください。…あ、翔太くん、あいつ連れてってくれてありがとうございました」

まだ何か言いたそうだけど最初に席を立つ。それから漸く少し空気が緩んで他の人も立ち上がり始める中、俺はすぐにラウールの寝てる部屋に向かう。きっとそのうち起きるとは思うけど、ぶっちゃけその保証はない。

ラウールの代償は、あんな小さなものじゃない。
あれは印。本当の代償は康二も知らない、俺らの秘密。