Beat② (ページ30)

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sk side

mg「ラウール！」

俺らが帰ったら、ずっと待ってたみたいで外にめめがいた。預かります、って車からラウを背負って中に戻ってく。まだ何の説明も出来てないけど、もう何があったかなんてめめにはわかってるんだと思う。

照が降りるのを待ってから俺と翔太も中に入る。照は未だにぼんやりしてるけど会話くらいなら出来る程度に車内で落ち着いたから、休むべきだって俺らの助言は受け入れられなかった。
リビングで照の傷を手当して、ついでに俺のも。そうしている間に別の調べ物で外に出てた康二と涼太が帰って来て、めめが部屋に連れて帰ったラウール以外がリビングに集合した。

mg「…誰でもいいです。話して、くれますか」

口を開いたのはめめ。俺らにはその責任があると思うから、当然全部話すつもり。でも照のことは本人しかわからないから、話せるか微妙かと思ってちらっと見る。俯いていて表情が見えなくて、でもそれもそうか、って思う。ラウを殴ろうとしたから。そのことに気付いちゃったから。

それから、俺らが本部からの要請で向かったこと。思ったより時間が掛かりそうで、俺らは別々に行動してたことを俺から説明した。

fk「…照は、何で能力使ったの」

一度言葉を切れば、黙って聞いていたふっかが恐る恐る、言葉を選ぶみたいにして聞いてきた。俯いたまま、俺の隣に座ってた照が口を開く。照も照で、また言葉を選んでゆっくり話してるんだって思う。

iw「ふっかがいない時に使うのが危ないのは、わかってた。ただ完全に止められなくなる訳じゃなくて何ていうか、…その解除した一部にまた鍵をするのはふっかしか出来ない、っていう、そんな感じ。だからその部分を使わなければ、意識はあるし制御も出来る。…ただ、無責任だって思うと思うけど。覚えて、なくて。気付いたら意識がなくて、また戻ってて、ラウが、…」

あぁ、やっぱりそうなんだってどこかわかってたような気がした。
sept軍を追い返して、元からいた隊がそっちの基地に戻ったのを確認してから照と合流しようと思った。何もわからないまま俺を見てすぐに追い掛けてきて、マズいって思ってすぐに連絡を入れたけど。ヤバかったのは俺だけじゃなかった。
だからこそ、これの責任は俺にもある。