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いつもより少し遅くなった朝ご飯を終えて、そのままリビングでみんなと一緒。会議室に動かなかったのはきっと、大事にあまりしないようにって阿部ちゃんが考えてくれたんだと思う。
康二くんはさっきと一緒でずっと俺の隣だけど、やっぱりどこか緊張して固くなってるのがわかる。
ab「そろそろ本題に入ろうか。康二、話せる？無理はしないで欲しいんだけど…」
kj「…大丈夫やで。話させてや」
机の下で、ぎゅっと手を握り締めたのが見えた。無理に言わないで、って言いたいけど、康二くんなら苦しくてもみんなの為にってちゃんと話すような気がして言えない。言うだけ寧ろ、傷付けて躊躇わせてしまいそうで。
kj「話すって言っても、ほとんど阿部ちゃんが見たまんまやねん。魘されとった、っていうのも、自覚ない。…夢は見てた気がするんやけど、気味悪いもんだったくらいしか…」
ちょっとだけ声が震えてる。あれだけ苦しそうだったんだから、思い出したくないのも当然だと思う。言い切って小さく息を吐き出した康二くんの手を思わず握った。そうしたら同じタイミングで反対の手を逆隣からめめが握って、考えることは同じだって思った。
ab「ありがとう、ここからは俺の話。見てた4人はわかると思う。俺が、康二を無理矢理引きずり戻した。俺のConnectで、康二の意識そのものに干渉して」
あの時阿部ちゃんが躊躇ってた理由はそれだったんだ。
止められる可能性があるのが俺だけだったのも、納得がいく。下手をすれば康二くんどころか阿部ちゃん自身も巻き込まれたかもしれない、危険な使い方。
ab「それと、…ラウは気付いたでしょ？」
どこを見ているとも言えなかった阿部ちゃんの目がこちらを向いて問い掛ける。なんだ、気付いてたのすらバレてたんだ。
ru「はい。手の甲の、」
ab「そう。だから康二、よく聞いて。今までこんなことがなかったのはここ最近で能力の使い方を知ったからだと思う。寝ている間何らかの障害が出る可能性がこの先も、多分ある」
kj「…おん」
ab「代償は、抑えられないから。数日使うのは控えてみて」
kj「わかった」
ab「それから」
康二くんを見てた阿部ちゃんが、みんなの方を向いて言葉を切った。
何となく、その先がわかってしまって怖くなった。
ab「今日はラウに頼んだけど、誰でもいい。もし康二にしたみたいに俺が人に、みんなに能力を使いだしたら」
ab「その時は俺のこと、殺してでも止めてね」
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作者名：しあ。 | 作成日時：2020年10月14日 22時
