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ab side
ru「阿部ちゃん！康二くん起きましたか？」
ab「だめ、起きない。照とふっかは？」
iw「俺はいる。ふっか起きなくて一旦置いてきた」
ab「おはよう目黒。寝起きに悪いけど康二のこれ、今までなったことある？」
mg「無いっす。俺も初めて見ました」
ab「そっか、」
ラウールが目黒を起こしてくれて、照も来てくれた。階段を上る音がしてるから、それは舘さん。だけど人が集まったところでどうしようもない。これはただ寝てるんじゃないと思う。
方法はある。けど、やったことがない。もし間違えたら、絶対に危ない。でもちょっと焦ってる中で、それ以外に思い付かない。
ab「ラウール、」
ru「はい」
ab「もし俺が失敗したら、ラウの能力で止めて。ラウなら止められる。お願い」
ru「…危ないこと」
ab「かもしれない。わからないの。だから、」
ru「わかりました」
何の説明にもなってないけど、それでラウールは頷いてくれた。その能力だってリスクがある。言わないけど、目黒の表情が少し曇ったのにも気付いてる。でもごめん、これしか方法がわからないんだって、心の中だけでも謝っておこう。
ab「＿＿＿もう、止められないよ？」
そっといつもの詠唱を呟いて、康二の額に手を当てる。
集中して、意識を逸らさないように。
呼び起こすように、思い出させるみたいに、掬い上げて。
康二の意識そのものに干渉する。
もしかしたら禁忌に程近い、それくらいリスクの高いこと。
だけどErrorには、Errorで対応するしかない。
説明書なんて誰一人、持ってないんだから。
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作者名：しあ。 | 作成日時：2020年10月14日 22時
