Beat② (ページ14)

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dt side

あれが何歳のことかはわからないけど、何年も組織で生活する中で俺らは漸く、変だって感じた。生きる術はある、殺す術もある、だけどそれが普通じゃないって認識だけは、その瞬間まではなかった。

きっかけはいつも通りの殺しの仕事。
あの頃の翔太は今よりも前で仕事をすることが多くて、だけどやっぱり汚れることが嫌いで、銃を使うことを好んでた。

dt『翔太、後ろ』

nb『さんきゅ、つか手応えなさすぎ。俺ら要る？』

dt『あの人達も考えてるでしょ。暇よりマシ』

nb『まぁな。…うっざ、こいつラスト？』

dt『ラスト。早くして。終わらせて帰るよ』

nb『はいはい、』

翔太が男の頭を狙って撃った。俺はもうすることがなくて、転がった死体の数を数えてた。
その時はたまたま即死じゃなくて。仕留め損ねたことに気付いた翔太が、もう1度銃を構えたんだ。

nb『…化け物、』

dt『え？』

nb『あいつが、今、そう言って』

銃口を向けたまま止まってしまった翔太に、続ける言葉がなくなって。
でもそれがきっと正しいんだって気付いたから、俺は翔太の手から銃を奪ってそいつを殺した。

dt『帰るよ、翔太。帰らなきゃ。』

組織に戻ってからも、大人の前ではいつも通りに振る舞うようにした。色々と詮索されるもの面倒だったし、その頃はもうずっと、そんなことが考えられるくらいには賢かった。
けどだからと言って、その言葉が忘れられるわけではなかった。
2人部屋、その場所だけには、大人は決して入って来なかった。

おかしいと知ってから、2人で逃げ出す計画を立てるのは自然だった。