Beat② (ページ13)

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dt side

最初に翔太と会った時のことは覚えていない。
孤児で親の顔なんて知らなかった俺は、同じように孤児だった翔太と共にとある組織に拾われたらしい。小さな犯罪組織。何とか殺しで生きている人間が集うような場所だった。
そこまでどうやって生きてきたかは知らないけど、拾われてからずっと、常に翔太と一緒にいた。
銃器の扱い方を学んで、暫くして人の殺し方を学んだ。

俺達は、互いが人質だった。

片方が逃げようとすれば片方が罰を受ける。
他人でありながら双子のように生きてきたのだから、それがよく効くことを知られていたんだと思う。
その頃は逃げようなんて思ったこともなくて、結局俺も翔太も、所謂扱い易い子供だったと思うけど。まだ力なんて持ち合わせていなくて、そこが生きる世界だったから。

ずっとそこで生きる中で、俺達は何度も人を殺した。
そうしていることで、自分達の命が多少は持つことを理解してた。

2人でセット、2人で、1つ。

どんな時もどんな仕事も、それは変わらなかった。