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sk「阿部ちゃーん！制御室撃破！別棟も管轄内だった！」
ab「ナイス佐久間。もう少しでどっちも合流するよ」
sk「およ、んじゃそれまでに終わらすね！」
ab「ヘルプの意味なくなっちゃうけど…まぁ、いいよ。やっておいで」
sk「はぁーい！」
男の明るい返事は、階下で交戦している各員にも聞こえる程に大きい。
つまりは勿論、男を狙う敵兵にも聞こえていることになる。
だがそれは、男にとっては何の障害にもならない。
現にカランビットナイフを自在に使う男は、笑いながら敵兵の間を駆け抜ける。
動きすぎて少し傾いたカメラを直してから、また実に楽しそうにナイフを振り続ける。
ab「佐久間、後ろ」
sk「ありがと！あとどんくらい？」
ab「上のが援軍で来るよ。ここより多いかも。外からのは翔太にやってもらってる」
sk「じゃ、こいつらと上だけかぁ。おーけー！」
飛び散る血液が自分に付くことも気にせずに、男はその手を止めない。
たった1人に、何十もの敵兵が翻弄される。
素早く駆ける男には手持ちの銃は無意味だと判断したのだろうか、兵士はククリに形の似たナイフを構えていた。
しかし男に傷を付ける者は誰一人としていないまま。
首へ、喉へ、時に心臓へ目掛け振られる男のナイフは、持ち主のものではない血に染まる。
気付けば男の周りの兵士に、生きている者はいなくなった。
男は更に敵兵を探そうと、階下へと続く階段へ向かう。
それを、静かに見守っていた声が止めた。
ab「佐久間、もういいよ。そっちは目黒とラウが終わらせた。上がってくるからそこで待機」
sk「…はーい！んじゃ俺待ってんね」
その声に、男はまた笑って頷いた。
指先をリングに通してくるりとナイフを回す。
そのままぐっと伸びをして、男は仲間を待つことにした。
佐久間大介
「S」内一の前衛隊員
彼は常に笑っている。
もし彼が笑わないのなら、それは大事な人を傷付けられた時。
彼自身の中で、「彼」は失ってはいけない存在である。
能力名「＿＿＿＿」
代償「＿＿＿＿＿」
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作者名：しあ。 | 作成日時：2020年9月29日 19時
