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ab side
解散の号令を掛けてから、それぞれの位置を示す赤い点がちゃんと動き出したことを確認した。
正直、今日の俺の仕事はこれで終わり。作戦を立てて少しナビをして、後はこの自分の拠点が落ちないようにするだけ。拠点、って言っても車だけど。
正式の任務じゃなくてこれは依頼だから、方法は俺らに一任されてる。確実な作戦さえあればあいつらが暴れるだけ。特に佐久間とか翔太とか、最近はラウールなんかも張り切ってる。
唯一俺のすぐ傍から動かない点を見つけて、車の窓を開ける。
車体に少し背中を預けた康二がその音にぱっと振り返った。
kj「阿部ちゃん！みんな張り切っとったなぁ」
ab「そういう康二もね。ここじゃ不満だった？」
kj「そんなことないで？阿部ちゃんの作戦なら間違いないもん。それに、楽しそうな阿部ちゃんが見れんのはここの特権やしな」
ab「んふふ、バレてた？俺ら、こっちの方がお似合いだもんね。何なら照とふっかは普段分休んでも余裕だけど、意地でも出るって言うんだから結局全員楽しみにしちゃってるし」
kj「俺らの知ってるS、って感じやね。…っと、」
ab「お、さすが。じゃあ宜しくね。そろそろ接敵する人が出てくるかもしれないから」
窓を閉めながら、康二が駆け出すのを見つめる。
俺的にも実は休みみたいなものだけど、結局俺はやることは変わらないかな。
あの件の後から、康二は目黒に拳銃を教わってた。
まだ遠目に少し見える康二が早速使ってるのがちらっと見えて、ちょっと微笑ましい。
そろそろ誰かに呼ばれるかな、って感じがしたから、モニターに視線を戻す。
ただの俺の勘だけどね。
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作者名：しあ。 | 作成日時：2020年9月29日 19時
