Beat (ページ22)

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ru side

ab「でも俺、その時一緒にいなかった。翔太が話してよ」

nb「聞いてたじゃん…いいけどさぁ。ほら、俺らってさ、割と真面目な秘密組織の割にコードネームとかないじゃん？」

ru「それ思った！探ったらそっちが先にわかるかと思ったのに普通の名前しか出てこなくて、偽名なのかと思ってたの」

nb「そう、でもマジでないの。使い分けるのも面倒だし、ほとんどの仕事はそういう系だから。教えたところで片っ端から死ぬし。だけどほら、佐久間だぞ。そんな感じの、めっちゃ好きそうじゃんあいつ」

nb「それで仕事の時、ふざけて自分のことを『S』って呼んでた時期があったんだよ。佐久間の『S』。なんか腑に落ちなかったのかすぐにやめてたけど。でもそれがどっからか広まって、気付いたら俺らまとめて『S』ってことになってた。その時ちょっとでも容姿が流れてれば、個人名だって気付いてたはずなんだけどな」

ab「俺は何だかんだ便利だと思ったけど。組織名なんて書面上だけだし、ぶっちゃけその方が動きやすいって思ってる。おかげで俺らは人数すら割れてない。秘密組織っぽくない？」

mg「阿部くん、それはさすがにわかんないです。でもなんか、…佐久間くんらしいというか」

ab「そ、なんか佐久間っぽいよね。これが俺らの名前の理由。適当だから、って、間違ってなかったでしょ」

めめと揃って頷くけど、やっぱり可愛いと思った。
そう言った阿部ちゃんの表情が、何だか嬉しそうだったから。