Beat (ページ3)

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ru「いつでもいいよ」

mg「…3、2、1、」

トーンの落ちたカウントに合わせ、先程解除した扉を開ける。
それを待っていたかのように飛び出してきた敵兵に向かって、指を向ける。
ほとんど変わらない身長の男を身体の後ろに隠すように片手で制していると、
勢いよく向かってきたはずの兵士が次々と目を覆い出す。

ru「大成功〜！」

mg「ちょっとやりすぎ。もっと小さくできたでしょ」

ru「嘘、ひどい？」

mg「割と。見えてる？」

ru「見えてるよ！痛くもないし、めめったら僕のこと大好きだよね、ほんと」

mg「そういうのじゃなくて。…まぁいいや。今日はもうだめだからね」

ru「むぅ…もっといけるのに」

mg「いいから。後は俺がやる」

ru「それはやだ。この人達だけじゃないでしょ、めめこそ控えてよね」

状況に似合わず頬を膨らませた少年のその瞳からは、一筋の紅が零れている。
それを手の甲で拭って、少年は何ともないように微笑んだ。

ラウール
「S」の最年少。
彼は白い。ただ何の穢れもなく、いつまでも白い。
その手を何度染めても、何度でも上書きするように。
それが彼をいつか飲み込めど、白は白のままである。
能力名「White」
代償「＿＿＿＿」