Beat (ページ17)

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sk side

阿部ちゃんが発したモノ、という言葉。
俺らは何かわからなかったけど、あっちの3人には反応があった。
間違いなく、そのモノ、とかいうヤツに関連してる。

ru「…正解です。ってなると…阿部さん、ですね」

ab「そう。そっか、なるほど。…そういうことか」

阿部ちゃんとラウールって子の間では、全部話が繋がったっぽい。
でもその他の俺らはよくわかってない。
向こうの2人は、大体理解してるみたいだけど。

sk「阿部ちゃん阿部ちゃん、佐久間さん達にもわかるように教えて？」

ab「あぁ、ごめん。…話していいよね。ここまで来たんだから」

ru「はい、勿論」

頷いたのを見て、「調べ途中でみんなにはまだ話してなかったんだけど」という前置きをして、阿部ちゃんが話し出す。

ab「最近管理してるデータに、俺じゃないアクセス履歴が残ってたのを見つけて。それもすぐに消えたから見間違いかと思ったんだけど、気になったから調べてた。それで出てきたのが『mono』っていう人の存在。セキュリティが今まで見たどれとも形式から違ったから手強かったんだけど、グループ名と人数までは割れた。それが、ラウール達のこと。リストにアクセスしたのはラウールでしょ？残りの2人は実働部隊っていうべきかな」

ru「全てあってます。だから僕達はここのことを知ってます。正式名は『能力犯罪専門部』。でもそれは名目上で、Sって呼ばれてるんですよね。さすがに個人のことまではわかりませんでした。阿部さんが気付いて、セキュリティシステムを変えちゃったから」

凄く若いんだとぱっと見で判断したけど、想像とは違う中身に俺は唖然としてた。
あの阿部ちゃんと、ほとんど対等に話してる。
完全に破られたわけじゃないにしろ、阿部ちゃんの作ったシステムを解読した人なんて今までいなかったはず。ずっと知ってるから、それは正しい。

間違いなく、あのラウールという子が言ったことは俺らの事実。
だからこそこの先の展開がちょっと読めた気がして、ふっかへ視線だけを滑らせてみる。

その顔が既に楽しそうだから、多分その読みは合ってるんじゃないかな。
というか最初から決めてたね、あれは。