Beat (ページ14)

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ab side

大抵、最初に起きているのは照だと思う。
ランニングに出る前の姿を見ることは滅多にないから、それは多分間違いない。
その次は舘さん。残念なことに他に食事を作れる人がいない。
そして俺。今日も結局いつも通りだ。

それはいい。だが生憎、徹夜明けの頭に優しい時間はそろそろ終わるだろう。
興味のままにずるずると調べ物をした自分が悪いのだが、これから起きる3人、特に佐久間の声は中々頭に響く。
それでも起こさなくては朝食が始まらない。
のんびりとした時間の終わりに自分の珈琲を飲み干して、立ち上がる。
そういえば、今日のはほんのり甘かった。

ab「ご馳走様でした。そろそろ起こす？」

dt「そうだね、そろそろ」

舘さんの準備が終わりかけた頃が、残り3人の起きる時間。
いや、自分で起きてくるわけじゃないからその言い方は違うかも。
とにかく起きない3人をどうにかして起こさないと俺らが食えないから、これは食前の運動として諦めることにしている。

カップを舘さんに渡して階段を上りかけた時、呼び鈴が鳴った。
思わず3人で顔を見合わせる。緊急の任務ならもっと早い手段があるから、ただの来客だろうか。
すぐに2度目が鳴ったから取り敢えず照に出て貰うことにして、俺はまず3人を起こすことにする。
玄関の方も気掛かりだから、今日は早く起きてくれると嬉しいんだけど。