Beat (ページ13)

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dt side

ガチャ、と玄関から音がする。
もう一度時計を見れば、なるほど、いつも通りの時間だ。

dt「おかえり。照も珈琲でいい？」

iw「ただいま、そしてお願いします」

日課のランニングを終えた照に一声掛ければ、笑って頷かれる。
一旦部屋に戻った姿を確認したらもう1つまたカップを出して、照用の激甘珈琲作り。
ソファに座ってぼんやりこっちを見ていた阿部が眉を顰めるのが面白くて、毎朝のことなのにまた笑ってしまう。
そのまま立ち上がって歩いてくる彼に、激甘ではない方のカップを手渡す。

ab「信じられない。朝から激甘…あ、頂きます」

dt「はいどうぞ。ほぼ毎日見てるのに」

ab「慣れたけど慣れない…」

わかるような気もする。
激甘なものを見ていると食べてもないのに甘く感じるのは何なのだろう。
そんなことを思いながら、自分も珈琲を飲み干した。

扉が閉まった音が聞こえたから、すぐに1人増えるだろうか。
阿部の時よりもしっかりした足音にほんの少し安心する。
だからやっぱり、後で阿部のことを休ませておくべきか。
今日は忙しくないといいと思いつつ、例の激甘珈琲のカップを降りてきた照に渡した。