わがまま ページ10
誰か都合良く先生通らないかなぁ…と思っていたら、捕まえてくださいと言わんばかりにナイスタイミングでホビ先生が通る。
「あ！ホビ先生っ」
HS「お、Aちゃん元気？」
「助けて下さい泣」
HS「えっ、どこか具合悪い？」
「勉強教えてください！」
HS「なんだ、勉強のことか笑」
患者さんに呼び出されたらすぐに戻るという条件で、勉強を教えてもらうことになった。
HS「Aちゃんは何が苦手？」
「理系無理です…捨てかけてます泣」
HS「おけ笑 ナムジュナには敵わないかもしれないけど出来るとこなら教えてあげるよ」
まずは数学の問題を解説してもらうことにした。わぁ指綺麗だなぁ。微笑みの破壊力強すぎて話入ってこないけど大丈夫そ？やばいやばい、イケメンが至近距離にいるのは危険ってこと忘れてた。気緩まないようにしないと。
HS「…Aちゃん？」
「えっ⁉︎あ、はい…えーと」
HS「最初にここ計算した後、この公式に当てはめるんだよ」
「なるほど」
え、すごい。本当にできた。天才！天才だよホビ先生！
HS「よし、できたね。じゃあ次、こっちは」
「あっ、さっきと同じように当てはめるんですか？」
HS「そうそう！でもさっきの問題と少し式の形が違うからよく見てね」
その後も苦戦しながら、ホビ先生のおかけで次々問題を解くことができた。
HS「うん、いい感じだね。じゃあ大問4やってみて」
今までの問題とちょっと違くて難しそう。最初に何をすれば良いか分からず、先生に聞こうとしたときPHSが鳴った。
HS「はい、ホソクです。え…301号室ですか？分かりました、直ぐ向かいます」
ホビ先生はさっきまでとは違う真剣な顔で、急用ができたからまた後でね、と走って行ってしまった。先生は確か内科、すごく急いでたからよっぽど何かあったのかな。
でももうちょっとだけでいいから一緒にいたかった。こんなこと思ったら本当はだめだけど、行かないで欲しいって少し思ってしまった自分が憎くて仕方なかった。
患者さんの命がかかっているかもしれないのに。私はわがままばっかり…。
＿どうすれば私も見てもらえるかな。
＿体調を崩せば見てもらえるかな。
はっと我に帰った。何を言ってるんだ。今…先生に心配してもらえて羨ましいって思ったの？自分が自分じゃないみたい。最悪な考えしか浮かばない。どうしてこんなに酷いこと考えるようになっちゃったの…。
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作者名：-snow- | 作成日時：2021年9月5日 22時
