ごめんなさい ページ7
かゆい、実にかゆい。
ナムジュン先生に掻くなって言われたけど、無意識に搔いちゃうほど指も体も痒い。水疱も潰しちゃうし。
これじゃあいつまで経っても治んないって分かってるんだけど…我慢できないものは我慢できない。
そして何が問題って、今日はナムジュン先生に様子を見せに行く日なんだよね。絶対バレるじゃん、掻いてるの。テヒョン先生に見てもらおっかなぁ…いや、どっちにしろバレそう。もうやだぁ泣
うだうだ言ってるうちに、あっという間に診察の時間が来た。
NJ「じゃあ手見せて」
少しためらったけど、逃げ場がないので見せる。
NJ「A」
ナムジュン先生はこっちを見ている。でも私は目を合わせられない。
NJ「掻いてるでしょ。言ったよね？ダメだって。これじゃあいつまで経っても治んないぞ」
先生は深いため息をついた。
NJ「我慢するのが辛いのはよく分かる。けど、これを繰り返して苦しむのはAなんだ」
私は何も言えなかった。
NJ「痒み止めの飲み薬も処方しておくから、頑張ってみないか？」
私は静かに頷いた。早くその場から逃げ出したくて、診察が終わった後急いで廊下に出た。そしたら目の前にいたテヒョン先生にぶつかってしまった。
TH「おぉ、Aちゃん大丈夫？怪我してない？」
「大丈夫です…」
TH「なんかAちゃん、元気ないね」
「さっきナムジュン先生にお説教されまして…掻くなって言われたのに掻いちゃって」
するとテヒョン先生は私の両手を大きな手で優しく包み込んだ。
TH「わかるよ、辛いよね。我慢するのって簡単なことじゃないよね。きっとナムジュン先生はAちゃんのことが心配で仕方ないんだよ」
「え？」
TH「心配だから強く言っちゃうんだ。それはナムジュニヒョンが優しいからなんだよ」
嗚呼…私、ナムジュン先生が心配して、私の為を思って言ってくれてたのに目も合わせなかった。それに一言も話さないなんて。最低だ。
「テヒョン先生、私最低だよ」
TH「今からでも、ヒョンに話しかけてきなよ」
NJ side
Aが目も合わせてくれなかった。少し強く言い過ぎたかもしれない。どうもAのことになると感情的になってしまう。ほっとけなくて、つい口を出してしまう。
「先生…」
診察室の扉が開いた。さっき戻ったはずのAが帰ってきた。
NJ「Aっ！…さっきは」
「ごめんなさい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：-snow- | 作成日時：2021年9月5日 22時
